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急降下…からの着地！！！
「し、死ぬかと思った…」
しかし僕は這いつくばっているわけにはいかない…だってここは市場で、這いつくばっている人間など奇怪な存在として白い目で見られるに違いないのだから。
「あの子は何だったんだ…？」
僕は先程の少年のことを思い出した。銀髪で、いかにも生意気そうなアーモンド型の吊り目。色はエメラルドグリーン。
なんか、何処かで見たことがある配色なんだよな…
「八百屋…パン屋もその後に回って、…本当にデーツってなんだろう…あっ、塩は八百屋にあるのかな？」
独り言が激しいのはいつもの癖だ。誰も話は聞いていないのに、つい説明口調になってしまう。
取り敢えず僕は一番楽に済みそうな八百屋での買い物を最初に行うことにした。
…その後僕は、デーツがナツメヤシの実であることを生まれて初めて知るのであった。
__________________________
「…いや待て、帰りは自分の足で歩くのかこれ」
どうやら僕がベルさんの家を出発したのはもう昼下がりくらいのことだったようで、買い物を済ませる頃には夕方になっていた。
「うへー、暗いから地図も見にくいなぁ」
しかも荷物が重い。
でも飛ばされるよりはマシか、なんて思いながら足を動かす。もうあんな目に遭うのは懲り懲りだ。
空が、オレンジ色から薄桃色に。薄桃色から薄紫色に。そして、藍色に染まっていく。道に沿うように設置された街灯が一斉に煌々と輝き始める。よかった、これでメモが見やすくなる。
…しばらく歩いた頃に、ようやく見覚えのある場所へと辿り着いた。ラベンダー畑だ。この辺りは街灯が設置されていない。もともと田舎町であろうラワンデルの丘の中でも、かなーり外れの方にベルさんの家はあるらしい。
奥の方に、家が見えた。
…よーし、走るか。卵とか割れやすいものは頼まれてなかったし、このまま家まで全力疾走！
と、思ったのだけれど。
「ミャヴ…」
「っ！？」
鳴き声のようなものが聞こえた。それも、かなり濁った声だ。
振り向くとそこには_____猫がいた。一匹の猫だ。
でもそれは僕が知っている猫ではない。銀色の毛にエメラルドグリーンの目は確かに僕の知っているそれだが、鋭い牙が剥き出しになっていて、腐ったように皮膚が爛れているところがある。
「ミャ、ヴゥゥゥゥゥｩ…」
僕はベルさんの言葉を思い出した。
_____魔物。彼女は、魔物を退治する仕事をしている。
こいつは、魔物なのかもしれない。
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葛 - Kirariさん» 感想ありがとうございますっっ！！！応援に応えられるように執筆がんばります！！！！！ (2021年2月24日 17時) (
レス) id: 882ef10c58 (このIDを非表示/違反報告)
Kirari - 人物の一人一人が、みんな個性的で、すごくおもしろかったです！！最初の主人公くんが落ちてきた、ってところも好きです！！これからもがんばってください！応援しています！ (2021年2月23日 13時) (レス) id: 659499b88d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葛 | 作成日時：2021年2月10日 21時
