心配せずとも心肺は止まらない ページ17
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他の面々よりも先に窓枠から飛び出せば
真っ先に後続してきたのは予想外にもムルと賢者様だった。
もっと予想外だったのはムルが魔法を使わずに賢者様を連行していたことだけど。
「わああああ…っ！！」
私は飛び出すと同時に箒を出現させていたので重力に反し向上していくが
箒を出現させ、片手に携えたくせに何もせずにいるムル
それに引きずられ、ムルと手を取りながら放り出された賢者様は
当然、自然の摂理のままに、重力のままに下へ下へと降下していく。
まぁ、流石に気まぐれネコでも賢者様を殺すような真似はしないだろ。
何より面倒なので賢者様の命を脅かさない限りは手出しはしない。
飼い主がどうにかするだろう。きっと。
飼い主より先に、カインが私の横を通り過ぎ
箒を操作し、あえて降下していくと落下していく二人に並走した。
カ「ムル！いい加減にしろ！賢者様に何かあったらどうする！？」
ム「どうする？」
カ「俺に聞くな！」
ム「分かったってば！賢者様、俺に捕まって！」
圧倒的に年上なのに年下に叱られるムルの姿に
シャイロックはやれやれ、と肩をすくめてヒースクリフは困ったように眉を下げる。
ヒースクリフは少し私との距離を詰めてオズオズと話しかけてくる。
ヒ「ムルに任せて大丈夫だったのかな…」
「…まぁ、心臓に悪そうだけど心肺は止まらないでしょ。」
ヒ「それって大丈夫っていうの…？」
「異世界から来ていきなりこんな体験をしたのだから。
今更心臓に悪い体験は控える、なんてあまり意味が無さそうよ、…なるようになる」
えぇ…と不満というよりは困惑を顔に浮かべる彼にニッコリ笑って
「さ、急ぎましょ。」と先行して進んだ。
肝心の賢者様は何かに驚いたのか、声を張り上げていた。
私には賢者様の言葉の中身はところどころしか聞こえなかった。が
わずかに聞き取れた言葉の中に聞き覚えのある「二ホン」というワード。
あら、前の賢者様と同じところ出身なのか。
途中≪花かけらの波≫に遭遇したりもしたが
若者二人も賢者様も、その光景に小さく笑みを零していた。
…まぁ、そう微笑ましく空の旅が終わるはずもなく
ムルは自由気ままにグルン、と回ってみたり急発進したりで
賢者様は魔法舎に着く頃には若干目を回していた。
おそらく、オズや双子は賢者の気配に気付いたはず。
一方で魔法舎についてから２つ、大きな魔力が見当たらない。
…オーエンとミスラ本当に逃げたか
私もさっさと旅に出よ。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 雪女さん» コメントありがとうございます。その辺がお好きなのですね…今後の描写の参考にしてみます！ (2022年12月19日 20時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。シャイロックとオーエン、双子との絡みが楽しみです🙂 (2022年12月18日 22時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - Senaさん» 長らくそのままにしていたコチラの作品に反応頂きありがとうございます、コメントがあるとやる気が出るので嬉しいです…！2章が良すぎて出戻り夢小説ですがちまちま更新するのでお待ちいただけますと幸いです！！ (2022年5月19日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
Sena(プロフ) - わ、わ、久しぶりの更新ありがとうございます！ (2022年5月19日 6時) (レス) id: 61121e16fc (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - �盒兇気�» 感想コメントありがとうございます！こちらのババア(見た目詐欺)夢主は自由人として書いておりますので、内面を気に入っていただけたようで嬉しいです。自分のペースで、ではありますが頑張ります！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月12日 18時
