【マギ】とある帝国の軍人 (ページ24)

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第弐拾参話ページ24

玉「一体、なんの騒ぎなの？」

足音を響かせ、紅玉姫がサブマドやバルカーク達の前に現れる。

相変わらず煌の人間以外の前では仮面を被ったかの様子だ。

向こう側に先日の黄色の紙の金属器使いの少年がいる。

実は彼、バルバットの王族の一人だったんだ。

あの時とは違い、意志のある強い目をしている。

何か自分の中で決着がついたのか。

玉「騒ぎを聞きつけて参りました。
私は、煌帝国第八皇女練紅玉。
アブマド王の婚約者です。」

バルバットの側の人間に、ざわめきが走る。

玉「失礼、私まだ国王様の顔を存じ上げない
の。
一体どなたが国王様のなのかしら？」

…やっぱりアブマドの顔を知らなかったのか
。

アブマド「よ、余である‼」

姫がぎょっとした表情をする。

紅玉姫が何かを呟いたが、聞き取れない。

薄気味の悪い笑みを浮かべた男がしゃしゃりでる。

銀「それがですねぇ… 姫君…」

銀「どなたが国王様なのか…
わからないんですよ…」

この場にいる誰もが驚いた表情だ。

かくいう俺もそうだろうが。

銀「たった今、第三王子殿と副王様がクーデタ
ーを起こされまして、どうやら
アブマド様は退位なされるようで…

次の国王様はまだ決まっていないのです。
ハイ…。」

アブマド「ぎっ…銀行店……
きっさまぁぁ！」

今のアブマドの言動からすると、
この銀行屋という男がバルバットの政治に入り込み、経済を煌の都合のいい物に変えた張本人なのだろう。

玉「どなたでも、構わなくってよ。」

「………？」

怜也「姫君が煌帝国から受けた命令は
『バルバット国王と婚姻し、
条約を結ぶこと』だ。」

彼女の話しに口を挟むようで悪かったが、
あまり姫に自分を卑下するかのような事は
言ってもらいたくなかった。

何日か共に行動したことで、情が移ったのか。

夏「それは国王がどなたであろうとも
変わることではありません。」

夏黄文も俺の意図を読んでくれたようだ。

玉「そういうことです。

なるべく早く、新しい国王様を
お決めになって下さいね。」

一人の女性に ‘国王であればいい’と嫁がせるのは、かなり厳しいことだろう。

それが例え皇族だとしても。

まぁ、確かにそれは国の政治のためには
必要なことでもあるが。