第二十一舞『黒き遊戯』 ページ21
_
とっくに着替え終わって居た太宰。
白い
外見ハイスペックな太宰を、賭博場に居る女性達は放って置く筈が無い。
アイザックを待つ間、太宰の周りは女性達で囲まれた。
この女性達は、皆私と心中してくれると云う事だろうか…と、
勝手に考える。
それを遠くから眺めるアイザック。
「…うわ」
太宰のモテっぷりに、若干引き気味である。
此処は如何だろう。他人の振りをして通り過ぎるのが適策か。
そうと決まれば早足でその場を切り抜けようとする。
「あ。やぁアイザ君!随分待ったのだよ?何をしていたの?」
おいおい。頼む、話し掛けるな寄るな。
「お知り合い?」
「あら、可愛い顔ね」
女性達が、アイザックを見て云った。
「では、そろそろ失礼しなければ。彼に怒られて仕舞うのでね」
と、太宰は女性達を上手い様にあしらったのだ。
「君着替えるの遅いなぁ、何かして居たのだろう?」
「此処に居る異能力者が誰なのか、どんな異能なのか聞いてた」
アイザックが云うと、太宰は口角を上げた。
「おや、遣るじゃないか。それで如何だったの?」
絶世の美形二人が隣を歩く。
日本人の美形と、異国の美形。周りの人々はさぞ目を丸めただろう。
「…透視の異能力。格好は黒髪眼鏡、右目の下に
余りに詳しい情報に、太宰はきょとんとした。
「…君、その情報…真逆」
「先刻の女の人相手にしただけだよ。手は出してない」
アイザックは、隣を歩く太宰を横目で見て云った。
確かに、この顔ならそれが可能だろう。
太宰は思った。
「き、君って最低〜!男の恥!ゴロツキ怖ァ〜」
太宰が、アイザックをおちょくる様に云うと、
「はぁ?同類だろ」
アイザックは、妖しげな笑みを見せた。
太宰はやれやれ、と溜め息を吐く。
「ほらアイザ君、多分アレだ。私達が招待された遊戯は」
太宰が指を差す方向に目を向けると、豪華な椅子、赤い
周りに野次馬が沢山居て、近付け無い。
「これ、如何やって行くんだよ」
「そろそろ時間だからね。その内に道が開けるさ」
この調査の適任が、如何に太宰で無ければならない理由が判る事になる。
_
要注意異能力者___内務省異能特務課より
アイザック・バシェヴィス・シンガー:身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
817人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
χCielχ(プロフ) - かれぇらいすさん» ほわ〜!!ありがとうございます!!二次創作ではどれも画像に規制がかかっており、誤字修正の際に申請通してない画像は全部消えてしまって、アッ…となりました…ヒィ...とても申し訳ないです…!あいざくんはこれからも描くので、何卒…ッ!!!! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
かれぇらいす - 久し振りに読み返してます!ところで第三十一舞のアイザ君のすんばらしいイラストはもう見れない感じですか…?私の端末だと写らない(?)のですが…(´・ω・`) (2020年3月16日 0時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» わ〜!ありがとうございます!文スト自体が流血沙汰なので回避しきれない案件です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - χCielχさん» 第一章を読み切りました。アイザックさんも、厄介な過去をお持ちですね汗。根は、レイくんににていますね。細かいところは違いますが... 。少し休憩してから、続編を読んで、いきます。余談、シエルさんの、文スト、どうしても、流血沙汰に(苦笑)。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 那佳さん» ぎえええ!?もしそうならとても嬉しいです(*´-`*) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ