第二十舞『黒き微笑』 ページ20
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宝石が埋め込まれた
何やら舞踏会にでも来た気分だった。
此処に居る人々は、全員貴族の様な格好をしていた。
「すっげぇ…あの肉美味そうだな…」
アイザックは、子供の様に目を輝かせた。
「アイザ君は…、知らない人にご飯で釣られない様にね」
「如何云う意味だよ」
そのままの意味さ、と太宰が笑うと、二人のもとにバニーガールの衣装を纏う女性が、数人来た。
「招待のご主人様は此方へどうぞ〜」
と、太宰が腕を取られて連れて行かれていく。
あの野郎、満更でも無い様だ。
「従者様は、此方へご案内しま〜す」
と、二人の女性がアイザックの両腕を取る。
「っは!?ま、俺は従者じゃねぇし、彼奴はただの知り合い…!」
「そんな緊張しないで坊や、お召し換えをするだけよ」
女性には何度か云い寄られた事はあるが、これ程までに積極的に密着されたのは初めてだ。
アイザックは、かなり慌てて居た。
連れて来られたのは、衣装室だった。
「ウチではね、招待客にはお召し換えをするのよ」
先程の色っぽい女性が、白い
「いや…判った。自分で着替えるから」
「あら、お召し換えして差し上げるのも私達の約目よ?
それとも、恥ずかしいのかしら?」
そうしてアイザックは、別に恥ずかしくは無いと云わんばかりに、されるがままにした。
太宰も…今頃こんな事をされているのだろうか。
「ふふ、良く似合っているわ。細身だけれど、脱げば中々の
身体付きだったものね」
髪も一部分が刈り上げられ、整えられた。
もうこれ以上は恥ずかしいから辞めて欲しいと思ってしまう。
「そうねぇ…坊や。お姉さんと、愉しい事しても良いのよ?」
沸点の限界だ。
子供扱いされて居るのが、何より腹が立った。
突然、アイザックは女性を壁に押し付けた。
「俺、一応男なんだよ。あんたみたいな女一人簡単に押さえ付けられる。お姉サンさぁ、俺が危ないって事…知れよ」
色気のある視線で女性を暫く見詰めた後、アイザックはふと微笑した。
「…なぁんて、な」
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要注意異能力者___内務省異能特務課より
アイザック・バシェヴィス・シンガー:身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - かれぇらいすさん» ほわ〜!!ありがとうございます!!二次創作ではどれも画像に規制がかかっており、誤字修正の際に申請通してない画像は全部消えてしまって、アッ…となりました…ヒィ...とても申し訳ないです…!あいざくんはこれからも描くので、何卒…ッ!!!! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
かれぇらいす - 久し振りに読み返してます!ところで第三十一舞のアイザ君のすんばらしいイラストはもう見れない感じですか…?私の端末だと写らない(?)のですが…(´・ω・`) (2020年3月16日 0時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» わ〜!ありがとうございます!文スト自体が流血沙汰なので回避しきれない案件です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - χCielχさん» 第一章を読み切りました。アイザックさんも、厄介な過去をお持ちですね汗。根は、レイくんににていますね。細かいところは違いますが... 。少し休憩してから、続編を読んで、いきます。余談、シエルさんの、文スト、どうしても、流血沙汰に(苦笑)。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 那佳さん» ぎえええ!?もしそうならとても嬉しいです(*´-`*) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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