Desire２６ ページ26
__
『触るな』
そう言ったAの目は鋭く、
殺意に溢れていた。
「そこまでだ」
俺は咄嗟に、Aの目を隠した。
「リヴァイ、近づいちゃ駄目って」
これが近づけずにいたものか。
三年前のあの日を、繰り返させるわけにはいかない。
「先程の咆哮で、失神した兵も出ただろう。中止だ」
ハンジは少し名残惜しそうな顔をしたが、
「……そうだね」
実験は中止になった。
俺は知っている。
こいつの力の全てを。
余り巨人と目を合わせてはいけない。
『一騎当千のA』は、とんでもない奴だった。
自我を放棄し、自暴自棄に狂い、暴走した。
「へい、ちょう…」
Aの声だ。
だが、どこか違う
「……何だ」
「俺は…どうすれば、貴方や仲間を…傷つけずに…居られたでしょうか…」
こいつは。
いや、彼は
「…何も考えるな。今のお前には、何も見えない」
がくん、と Aの全体重が掛かった。
今は
それでいい。
_ _ _ _
また俺は
眠っていたのか
眠りすぎ…だな…
「…頭痛い」
そう言いながら、むくりと起き上がる。
ここは俺の部屋だ…
ふと、視線を横にやると…
机にパンとスープ、他にも栄養のあるものが置いてあった。
俺はよろけながらも、机に行き着いた。
スープが、まだ温かい。
さっきのものか？
「…いただき、ます」
___ちゃんと食ってるのか？
食べてますよ俺は。
覚えていない。
壁外調査の後の、記憶がない。
本当は記憶力ないのかな…。
「…にんじんは嫌いだな」
と、オレンジ色の物体を端に除ける。
リヴァイがいたら、「食え、ガキか」って無理矢理にでも食わせるだろう…。
絶対嫌だ。
「…硬いな、このパン」
__
桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
