Desire４４ ページ44
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「おいA、きちんと磨け。塵一つ残すな。俺の真似をする程掃除が趣味なんだろうが」
「も、もう無理…雑巾がけ何周したと…はぁ、」
床に尻もちを着いて肩で息をし、ぜぇぜぇとかいた汗を拭う。座り込む俺の目の前に、リヴァイは仁王立ちで立ち塞がる。
「どうした一騎当千。てめぇはそんなもんか」
「だから…一騎当千は昔の俺だって…」
深く息を吐いて呼吸を整えて笑い、ふらふら立ち上がる。きちんとした食事をあまりしていない為か、頭がくらりと回った。
倒れる事は無かったが、俺の様子にリヴァイの手が俺の方に少し伸びて、直ぐに引っ込めたのが見えた。
その動作からは…意図的に、俺に触れない様にしているという事が分かる。
＿＿＿＿リヴァイは、Aの異変に気付いていた。
記憶を失っていたAは、明るい所も勿論たくさんあったが…どこか切なげで、目を離せばあっという間にどこかへ消えてしまいそうなほど儚かった。
しかし今は、記憶を失う前。つまり数年前のAと似ている。何と言っても笑顔が少年らしい。怖いもの知らずなこの感じ。
AはAなのだが、もしも記憶を取り戻して居るのであれば…。触れ合った際に記憶を消されかねない。
「リヴァイ？」
＿＿＿＿俺が名前を呼ぶと、リヴァイはハッとして俺の目をじっと凝視する。
「疲れてるんだろ、今日は？何かあるのか？」
「…いいや。特に無ぇ」
机に突っ伏して寝ていたから、首が痛むのだろう。手で後ろの首を押さえつつ、仏頂面で目の前の彼はそう言う。
「じゃあ、気分転換しない？散歩でも」
「ガキか。俺は行かねぇぞ」
「なら一人で行く」
「駄目だ。…チッ、面倒臭ぇ。少しだけだからな」
本当に、心配性だな。この人。今となってはそれが嬉しくて、目を細めて笑った。けれど…なぜだか俺が笑う度、リヴァイの顔は曇ってしまう。気のせいかと思うが、確かに…無愛想な表情が、少しばかり変わるのだ。
それに気付かない振りをして、話を続ける。
「そう言って結局付いて来てくれるんだもんな、あんたは」
「さっさと行くぞ。3分で済ませろ」
「散歩3分って何だよ…！逆に何しに行くんだ…？」
きっとこれで、俺の決意も固まる事だろう。ほんの僅かな時間でも、その時までは。このまま＿＿＿＿。
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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