Necromance74 ページ24
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「綺麗だろうが無かろうが、まあどうでも良いんだけどね。
どうせ俺には見えないし!」
「へぇ〜目が見えないかぁ、へぇ〜」
思い出せば…藤崎は身体障害性愛と、霊体性愛と云うダブル異常性癖の持ち主である。身体障害である全盲と、霊体である死神…お判り頂けただろうか。
つい、逃がさぬ様にと成瀬の腕をがしりと掴んで居た。掴めた物だから驚いた。死神に触れる事が出来るとは思わなかったからだ。
完全な実体を持つ死神。成瀬は首を傾げたが、直ぐに何かを思い出した様に口を開く。
「傍迷惑だよ本当!君が縛ってる魂の回収が遅れてるの、分かってる?さっさと解放して欲しいんだけど!」
「嫌だね!あぁでも…君が俺の願いを叶えてくれるなら…考えても善いかな」
藤崎が重い身体を起こし、成瀬に向かって薄笑いを浮かべる。
____それで『あの方』に楽をさせる事が出来るのならば。この男の、どんな事だって叶えてみせよう。成瀬はそう決意した。そうして此処に来た。「叶えて欲しい事って?」と笑顔で問う。
「死神ね…それでいて全盲…あは、うん…最っ高!!素敵!是非!是非俺の画材になってくれないかな!?太宰君以来の上質な画材だ!お願いちょこっとだけ!ね!ああほらインスピレーション!湧いてきた!」
病み上がりとは思えない程の凄まじい力で手首を掴まれ、逃げようのない青年。藤崎の態度の変わり様が可笑しかったのか、成瀬はその場で大爆笑をした。
「あっははは!!な、なにこいつ!!やばい!!割と嫌すぎてどうしよう!助けて伊お、あ、今居ないんだった」
藤崎の手を抜けようと頑張るも、変な所で力の強いこの男の腕力から抜けられない。藤崎と成瀬、互いに何処か噛み合って無い意味不明な事を叫びながら腕を引く綱引き状態。
「あぁもうこれで我慢して!」
と、成瀬が目隠しの黒い布を藤崎の目の前に掲げて云った。
すると意外にも、目を輝かせてそれを受け取ったのだ。そうして成瀬の真似をして自分の両目を覆ってみる。
「如何?似合う?」
「似合う似合う!」
「わぁい見えてないよね!」
似ている二人が、けらけらと病室で笑った。へらへらとして居た成瀬。彼はそのままの表情で、一瞬にして刀を抜刀し藤崎の喉元に刃の先を当てる。
「調子に乗られても困るんだよネクロマンサー。さてと!早い所霊魂を解放してくれない?」
剣で煽る様に藤崎の頬を軽く叩き、口角を上げて居た。その瞳に慈悲など存在しない。
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何処かの誰かのノート
彼奴を必ず救う。絶対に。
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ekakisitemasu(プロフ) - 1番最後の何処かの誰かのノートの彼奴を必ず救う。絶対に。で大号泣しました、、、、 (2022年10月21日 23時) (レス) @page50 id: 583e2155f1 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 天才 (2022年4月29日 13時) (レス) @page50 id: 1cfd8c976c (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ファイさん» ありがとうございます…!笑って泣けるような作品にしたくて書いておりました!こちらこそ埋もれていたであろうこの作品を見つけてくれてありがとうございます、とても嬉しいかぎりです…!!!本当にありがとうございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ - アッ……ヤバイ エッ俺の心臓無事?大丈夫?あ、好き 主様本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います大好きです応援してます大好きです。 最初見たとき大号泣してしまいました。 本当にこんな素晴らしい作品を書いてくださり有難う御座います神! (2021年11月16日 18時) (レス) @page50 id: 1f415ed449 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 白鳥さん» あわわ、ありがとうございます.......!是非に!!!!私も白鳥さんのような方に出会えて嬉しさの極みでございます…ありがとうございます.......!!! (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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