Necromance10 ページ10
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「異常性癖、ですか」
そう口にしたのは敦。藤崎が一人で幽霊を縛り付けに行って居る間に、太宰と国木田が藤崎について何も知らない…敦と谷崎に話したのだ。
「藤崎は霊体性愛の変人だ。それに奴自身が死霊術師と来た。誰が如何見ても最悪だろう」
「た…確かに。霊体性愛者が幽霊を身近に縛って置けるって…中々」
谷崎が二の腕を摩りながら、藤崎の狂気さに気付き始める。そして今まで黙って居た太宰が、ここぞとばかりに口を開いた。
「それだけじゃあ無いよ」
机に両肘を着き、絡ませた指の上に顎を置く。何時もより一回り低い太宰の声に、太宰の周りの社員は息を呑む。
「と、云うと…?」
「
身体障害性愛とは、軽い物では絆創膏、眼帯、包帯、松葉杖等でも高揚感を得る異常性癖の事だ。
目が見えない、声が出ない、そう云った物でも。
云って仕舞えば狂って居るが、社会的に身体障害性愛者は否定出来ない。何せ障害者を愛す者だからだ。
七年前、太宰を画材に選んだ理由は…彼の異常性癖から来る物である。
「気を付け給え、敦君。君は再生するからね、腕を捥がれるよ」
「はっ!?も、もが、」
「嘘だけど」
直ぐに嘘だと知り、ホッと胸を撫で下ろす敦。騙されやすい敦を見て居ると面白くて堪らない。
藤崎の狂人さを耳にし、暫く言葉を失って居た谷崎が国木田にこんな事を問う。
「そう云えば、国木田さんと関係のあった藤崎さんって…どんな職業だったンです?」
藤崎には俺の生徒も世話になった、とだけ谷崎には伝えて居た。今の職業が不安定なら、昔は何をして居たのだろうと気になった。
国木田は眼鏡を光らせ、カチャリと押し上げた。
「…信じ難いとは思うが……奴の前職は……」
呟く国木田。藤崎の前職を知り、がたんと敦が立ち上がる。わなわなと口が震えた。いや有り得ない。と云うか似合わない。
「す、すす、スクールカウンセラー!?」
久々にこれ程驚いた。
「うふふ、似合わないねぇ」
驚くべきは…ダブル異常性癖の超大変態に、スクールカウンセラーが務まるのか。やっていたのだから務まって居たに違い無い。
「見縊るのは善くないぞ。奴は生徒に評判だった。一年不登校だった生徒が、奴に会いに学校に来た位だったからな」
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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