傷だらけの君を、描かせて呉れ。【文豪ストレイドッグス】

Necromance９ ページ9

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太宰治、藤崎翔、確保。




現在うずまきにて、国木田からの洗礼を受けている。同じソファに太宰と藤崎が並び、その正面に国木田。



「太宰！！貴様は毎度毎度ほっつき歩いては迷惑を振り撒きおって！貴様の首を締めても締めても足りんわ！！」


幸い客の居ない時間帯。国木田は遠慮無く太宰を怒鳴りつける。藤崎は、自分の隣で国木田に怒鳴られる太宰を見てニマニマとする。



「太宰君ってば、国木田君に怒られてやんの〜」


と太宰を突つき、「一寸止めてよ」と太宰に煙たがられる。



「貴様もだ藤崎！！仕事しろこの無職！どうせ暇だろう、通話に出んか！」


「うわぁ翔、歳下の国木田君に怒られてるう」


「俺仕事してますもん」



藤崎が自身の端末を取り出して見ると、国木田からの着信が
五件。幾ら何でも掛けすぎでは無いか？俺の事好き過ぎだな？
うん。と一人で納得して頷く。




「んー、で？何でこんなに電話したの？」



へらりと笑って、国木田本人に聞く。国木田の口からは『幽霊』と云う単語が云いにくいのか、代わりに隣の太宰が、上の階の
事務所を指差して云う。



「幽霊だよ。凄まじいポルターガイストに、社員の殆どが体調不良を訴える始末さ。きっと翔だって先刻から感じて居るだろう、霊の気配」



藤崎は指の先を口唇に当て、何度か瞬きをした後、間を開けて返事をする。それも、溜め息を吐きながら。




「……云って置くけど、俺は除霊師じゃ無い。霊は成仏させてやれない。俺は霊を縛り付ける死霊術師だ。だから聞くけど、
貰って善い(・・・・・)んだね」



除霊は、大分時間が掛かる。それも探偵社に住み憑くあの悪霊なら三日以上は掛かる。けれど霊を縛る『霊縛法』に長けた者…死霊術師なら。あっと云う間だ。



霊を縛った死霊術師本人が霊に取り憑かれる何て事例もあるが、藤崎ならば心配は要らない。




「三日も仕事をしない何て…無理だろう？国木田君」



国木田が静かに頷く。すると突然、藤崎が片手で顔を押さえて、くすくすと笑い始める。




「あは、はは。へえ、そう、なら貰っちゃおうかなぁ。大丈夫、ずっとずっと大切にするよ。そうと決まれば早速だ」



かなりの変人。国木田は藤崎の事を、そう云った。




藤崎は霊体性愛(スペクトロフィリア)。異常性癖の持ち主だ。この感情は誰にも邪魔出来ない。昂って歪む顔を手で隠して、ただ溢れる高揚感に任せて笑って居た。



この男を変人と云わず、何と云う？


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【要注意人物】

藤崎翔：年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。

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