Necromance1 ページ1
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____武装探偵社。
軍警察には頼れない様な、切った張ったの依頼を受ける異能力集団。武装探偵社は敵に回すな、何て云われる程だ。
通常の人間であれば、凶悪犯だろうとお手の物。
だが、現在。そんな武装探偵社に…危機が訪れて居た。事務所に居られない位の危機。事務所に居れば頭痛、眩暈、吐気、幻覚に襲われ…。
仕舞いには何もして居ないのに整えていた書類が落ちるなど……仕事所では無いのだ。
____武装探偵社ビル一階、喫茶処『うずまき』にて。
「探偵社に起こる数々の奇妙な現象についてだが、俺はある結論に辿り着いた」
国木田が眼鏡を白く反射させて、緊迫した声色で云う。国木田と同じ机に居合わせたのは…敦、谷崎兄妹の三人。
「そ、それはズバリ…?」
三人は、食い気味に国木田と距離を詰めた。国木田は物凄い血相で、眼鏡を押し上げる。
「……いや真逆な。居る訳が無い。絶対無いが、これは………
幽霊だ」
ぽつりと国木田。居合わせた全員が成程、と頷いた後、谷崎はカチリと固まり、敦は叫んだ。
「ゆゆゆゆ幽霊ぃ!?」
「黙らんか敦!!幽霊など居る訳が無い!!」
「えぇ!?国木田さん今幽霊の仕業だとか云ってたじゃ無いですか!?」
敦の発言に聞き捨てならんと机をバンと叩いて立ち上がり、
「幽霊の『ゆ』の字も云っとらんわ!」と否定。そしてうずまきの店内を見渡す。
「太宰!太宰は何処だ!奴に怨みがある霊に違い無い!遂に死霊にまで恨まれおって!」
「太宰さんなら、『厭な予感がするから入水して来る!』とか云って出て行きましたけど…」
谷崎がうずまきの入店口の方を指差し、少しばかり申し訳無さそうにした。妹のナオミにがっしりと抱き着かれながら。
決定だ。何か悍ましい悪霊を引き寄せたのは太宰に違いない。
「敦!」
「は、はは、はい!?」
国木田の大きな声に、敦が慌てて返事をして目を合わせる。国木田は静かにこくりと頷く。いや判らない。頷かれるだけでは判らない。然し大方予想はつく。
____太宰を探しに行け。心の中で、そうハッキリ聞こえた。
太宰を捜し当てた後、引き摺って連れて来て、幽霊の居る事務所で太宰をこう…何か、檸檬の汁を太宰の目に吹き掛ける。そうしよう。それが善い。
そんな国木田の思いまで伝わる程だった。
「何で僕が…」と、渋々太宰を探しに店を出る。
ちりん、と扉が優しい鈴の音を立てた。
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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