君の世界に、意味を与えよう。Act2【文豪ストレイドッグス】

salvage５４ luxury liner ページ4

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理性の無い獣の様に暴れるレイ。気付けば周りの鉄格子は砕け、天井や床も凹んで割れ目だらけ。レイの瞳孔が開いて、珍しく楽しそうに戦って居る間に、太宰は囚われていた男性に近付く。


否、あれは戦って居ると云うよりか、何度でも立ち上がる敵を、一方的に攻撃して居る。敵に回せばただの鬼だ。



「貴方は如何してこの場に？」



太宰が話し掛けたのは、如何にも高貴な身分の男性。服がかなり上品だからだ。大方、賭博場で大負けしたのだろうが。


ドン！ガシャン！と、激しい音を繰り広げる最中…何事も無い様にして居る太宰に、その男性は冷や汗を流して驚く。



「わ、私は賭け事に負けたんだ。気付けば此処に…あんたこそ何故此処に」



…成程、矢張りか。それにしても此処では正義を気取った方が彼等を利用出来るし、何にせよ楽か。そう考えた太宰は、にやりと口角を上げて云った。



「解放しに来たんだ。貴方達をね」



太宰は彼等を解放する心算など更々無いが、丁度レイが鉄格子を破壊して居るので、かなり説得力がある。



「…あれは、提琴(バイオリン)の…」



「おや、有名人になったみたいだね」



男性は「有名も何も」と口にした。演奏の時のレイの品格からは考えられない程、獣の様に激しく暴れるレイを見て、少し怯えた様子で居た。







「怖いかい」






太宰が男性に問う。



一般的には、怖くないと云う方が可笑しい。




「逆に…怖くないのか」




男性が太宰に聞き返す。太宰は口角を上げた状態のまま続ける。それが酷く不気味で、暴れ回るレイよりも恐ろしく感じた。





「全く？私は彼を初めて見た時、欲しくなった位さ」




太宰が冷気を放つ様に云った後、凄まじい騒音を立てて、機械と怪物の騒乱を終えた。決着は既に着いて居たも同然だ。


レイの腕が人造人間の眉間から後頭部を貫いて居り、人造人間は機能を失った様にぐったりとして居た。


人造人間の頭から手を抜くと、どさりとそれは落ちる。ボロボロになった身体から青い電流をバチバチと静かに鳴らしながら、息絶えた。




「………みけん、か」




レイが独りでに呟いた。レイはただ嬲って居る様に見えて、
しっかりと弱点を探して居たのだ。これは考えてやった事では無い。相手の弱点を探るのは、レイの本能だ。




「レイ君、終わった？」




レイは「たぶん」と頷く。




「じゃあ血は？」




「た…、たりてなくないない」




「いや。どっちなの」



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ポートマフィア『隷属部隊』隷属者No.01

レイ・ブラッドベリ：音楽界の名家『ブラッドベリ』出身。血が足りて居れば下手に暴れる事は無い為、適度な血の供給を推奨する。＿＿＿＿隷属者No.01『所有者』＿＿＿＿太宰治。

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