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午前十一時三十分。演奏の公演を行う会場。舞台には大きな漆黒の
今回演奏を行う米国のバイオリニストはとても有名で、豪華客船に乗る乗客の殆どが一度は生で耳に聞き入れようと挙って会場に入る。
ざわざわとした会場。開演まで三十分あると云うのに、席は既に満席に近い状態だった。席は乗客人数分あるが、二席だけが空いていた。
太宰とレイの分だ。
会場の舞台裏。
太宰とレイは赤い
こんな典型的な隠れ方があるだろうか。事の発端はレイが、
『考える力だ』とか吐かして窓掛の裏に隠れた事が始まりだ。
レイが窓掛裏を気に入って離れない為、仕方無く太宰もこの場に身を潜めた訳だ。
レイが『考える力』を使う時は、何かと善い事は起こらない。
「このぬの、肌さわりがいい」
と、窓掛を触る。
「君もう黙って…」
それから十五分間この状態で居て、足が辛い。と思って居た所、一人の男が姿を現した。白人の男性だ。然しあれはバイオリニストでは無い。伴奏者だ。
「あいつか?あいつをつかまえるのか?」
「押さないで。違う、別の人」
太宰とレイが小声で云い合う。レイは自分も見たいと太宰を押して居た。
開演十分前前後になり、伴奏者はピアノの点検も兼ねて先に舞台に立つ。
開演、三分前。漸くレイが異変に気付く。
「…ばいおりん、きかないのか?」
三分前にもなって客席に居ない自分達を不思議に思った。遅い。気付くのが遅すぎる。
「いいや?聴くさ。最高の演奏をね」
開演一分前。威厳のある風貌で姿を現した男性。左手には
「レイ君」
途端に太宰の隣のレイがフッ、と霧になり、男性の背後に回る。レイは後ろから男性の首を肘裏で捕らえて固定し、声を出さない様に口を押さえた。
バイオリニストの男性は、酷く驚いた様子で居た。赤い窓掛裏から太宰が顔を出し、隠し持って居た拳銃を男性に向ける。
「やぁ、済まないねえ。開演直後に」
開演を過ぎてもバイオリニストが登場しない事で、会場がざわつき始めた。ざわついた声が障って聞こえる。
「…彼に色々聞きたいけど、騒ぎになると厄介だ。会場は任せたよ、レイ君。彼の提琴を使うと善い」
レイは太宰の言葉に目を見開いて居た。
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ポートマフィア『隷属部隊』 隷属者No.01
レイ・ブラッドベリ:身長173cm。体重57kg。非常に強力な異能を有すが、人間の血を必要とする。大人しい印象だが、敵味方関係無く殲滅してしまう事がある。命令違反も多々ある為、扱いは困難。
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χCielχ(プロフ) - 綺弌さん» うわーーーありがとう!それにも続編が笑笑((ぉぉぉぉ楽しみにしてますっっ!! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 姫歌さん» やっと続編できましたありがとうございます…エエッいいんですか!? (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - 50話到達おめでとう〜(*’ω’ノノ゙☆パチパチ 毎日読むのが楽しみで仕方無かった!! 擬音復唱シリーズ続編の方でも楽しみにしてるね!!← 私の方もあともう少しで公開の準備が整うよ!! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 続編のお祝い小説書いていいですか(真顔) (2019年3月24日 16時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 詩歌さん» ひええええうれしいです!ふぉっ、お、乙彦さんですか超うれしいです!!彼が一番格好いい人だと私も思ってます( ˇωˇ ) (2019年3月24日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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