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＿＿＿＿二ヶ月後。
桃色の桜が咲いていた。北森も大学二年生。暖かい日差しに、
自然と活気が湧いてくる。
先程太宰から電話で、『探偵社の皆、見に来ているよ！』と
連絡があった。全員来てくれて居ると云う事を考えると緊張するが、北森はこの日の為に練習をして来た。
「…ふぅ」
赤い運動靴の靴紐をきつく結び、立ち上がってつま先をトントンと地面に当てる。ウォーミングアップの為、軽く走り始める。
安吾も来てくれて居るだろうか。
勿論織田には、織田にも届く様に高く跳ぶ心算だ。
軽く走って居ると、風に吹かれて桜の花弁が青年の元へやって来た。思わず立ち止まってそれを掴むと、とても綺麗な花弁だった。
「おい」
そう呼び掛けられ、振り向いた。
視界に捉えたその姿は、黒い帽子に小柄な男。北森は自然と、表情を和らげた。
「何にまにましてんだ。気持ち悪ィぞ」
「いや、来てくれたから」
この青年、こんな素直だっただろうか。普段はもっと底が読めないと云うか、腹黒そうな顔をして居ると云うか。
…ただ単に、応援に来てくれた事が嬉しくて堪らないのだ。
「手前、こんなちっせえ大会優勝しなかったらシバくぞ」
「うわ、凄いプレッシャー。何なの？重力無しで自分で跳んでみなよ」
軽く云い合いが勃発するが、大人の余裕なのか中原が折れてくれた。そうして北森に何かを投げ付けた。
「手前の事だ。絶対緊張で腹減って無いとか云ッて食ってねェだろ。それ食えや」
見ると、美味しそうなおにぎり。しかも、
「海老マヨ…期間限定マヨネーズ増量…？」
極度のマヨネーズ好きの北森にとってはとても嬉しいものだった。流石は四年間北森と関係を持っただけはある。北森が何も食べて居ない事もお見通し。
「あ、じゃあ俺からはこれ」
と、先刻取った桜の花弁を差し出した。
「あ？ンだよこれ？要らねェ」
「あー、俺深く傷付いた。もう跳べない。ビリだ」
「チッ、貰っといてやるよ」
また、少年らしい笑顔を浮かべる北森。ハッ、と思い出して、その場で足踏みをし始めた。
「俺アップ中だったんだけど…一緒に走ってくれんの？」
「走る訳ねェだろうが。じゃあな。頑張れよ」
片手をひらひらと上げてその場を去ろうとする中原の腕を掴んで、走り出す。突然の事に中原も驚く。
「はァ！？放せ！手前となんざ走ってられるか！！」
友達らしく、笑って、彼と。
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percentage over１５０ 空の彼へと→←percentage over１４８
【要】注意異能力者
北森鴻：十九歳。身長167cm、体重52kg。性格、異能力共に危険性があると判明。条件が揃えば、接触せずとも相手を手に掛ける事が可能な異能を持つ。
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抹茶ラテ - ふと見つけて読んでみたら凄く面白くてなかなか長文物を読まない私でも気づいたら完結の所まで！！会話文や文構成が上手で途中感動でついうるッと来てしまう場面もありました、、！このような素晴らしい小説を書いて下さりありがとうございます！！！ (2022年12月23日 21時) (
レス) @page50 id: c4a8adec94 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 九十九天斗さん» 久しぶりにここにきました！それ故に返信遅れてごめんなさい、見つけて下さりありがとうございます！！！！！面白いといっていただけて何よりです！！ (2021年12月31日 2時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
九十九天斗(プロフ) - たまたま見つけて面白すぎてここまで読み進めてしまいました…！連載中に知りたかった… (2021年11月27日 0時) (レス) id: a6414a60a8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 永衣さん» お返事が遅くなり申し訳ありません！！ハワ…嬉しいですありがとうございます…作品を書いていて本当に良かったです！！ (2021年10月14日 3時) (レス) @page46 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
永衣(プロフ) - 連載していたころから読んでました。ふとした時に読みたくなって戻ってきます、いつ見ても最高です！本当にありがとうございます！ (2021年9月13日 11時) (レス) id: d90c12946e (このIDを非表示/違反報告)
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