文豪共、酔い潰れて溺れろ。【文豪ストレイドッグス】−黒の時代−

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あ、不発弾。





そう思い、慎重に不発弾の処理を行い始めたのは、ポートマフィアの最下級構成員、織田作之助。





爆発しそうな予知も、特には無い。






「これで全てか。最近多いな」






不発弾の解除に成功し、赤い髪をした頭をぽりぽりと掻いた。




不発弾の残骸を袋に入れ、ふぅ、と安堵の息を表情を変えずに吐く。






「…もうこんな時間か」





時刻は午後十一時を回っていた。






織田は歩き出し、角を曲がろうとした。








＿＿＿＿すると、こんな映像が見えた。







織田が角を曲がると、まるで少女漫画の様に少年とぶつかった。



織田は微動だにしなかったが、少年の方は飛ばされて尻もちを着いた。




すると、その衝撃で少年の顔を覆っていたフードが取れた。









＿＿＿＿と、ここまでの映像だ。







映像で少年の顔を見る事は出来ず、少し気になった織田は、この曲がり角で少年を待ち伏せようと考えた。





待っていると、物の見事に黒フードの少年が織田に衝突した。





身構えていた織田のせいもあり、少年は映像よりも少し盛大に飛ばされてしまい、織田は悪く思った。






「すまない、大丈夫か」






織田が少年に手を伸ばす。




予知通り少年のフードが取れており、織田は少年の顔を凝視してしまった。






「っ…た、すんません、」






亜麻色のさらさらとした髪。金色の瞳。





特に目を引いたのは、少年の長い睫毛。下の睫毛もこの距離で
しっかり見える程だった。




フードで隠してしまうのは勿体ない、と思う程綺麗な顔立ちをしていた。






織田は少年の肩を掴み、引き上げた。








「…あ」






少年はフードが外れている事を、今気付いた様に、焦ってフードを被り直した。






「怪我は？」






自分から傷付けてしまって何だが、本当に悪い事をした。




つい好奇心から来てしまった出来心だ。







「無いので…あの、手。俺行かなきゃ…」






少年が何に追われて居るのか、織田には判らない。だが一言
すまないと謝って、手を離した。





離した途端、バッと走り出した。





その背には、ライフル銃。






あの少年から、強い酒の匂いがした。







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