5日目 心と道徳 ページ6
頭に響く、五月蝿いチャイムが鳴る。
それと同時に授業は始まる。
文字は知っている、漢字というのも少しなら書ける。
ずっとイタリアに住んでいた私は、英語とイタリア語 そして日本語を習得していた。
難しい言葉を熟々と並べる先生を半分睨むように見る。
「今日は道徳学習の時間です。」
道徳学習・・・？
聞いたことのない単語に疑問を覚えながらも必死で頭と耳を追いつかせる。
「今回のテーマは“人”です。」
隣の生徒に聞けば、人の気持ちを考える授業なんだって。
イタリアでひたすら任務をしていた私は 急に言われてもハテナしか残らない。
人について考えたこと、私はあったっけ。
『さようなら』
そう言って、銃の引き金を引き続けた私に・・・そんなもの考えられるはずもない。
考えられる権利すらあるのかな。
そんな思考を振り払ってから、何も描かれていないプリントを見る
「目の前に困っている人がいたら、皆さんは助けますか？」
先生の一言は、重く教室に響いた。
そんなの、今まで考えたこと無いって。
私は良い人じゃない
助けるって、そんなこと胸張って言えない。
私なら、どうするんだろうね。
って、私が言える事じゃないよね。
「沢田、発表してみようか」
思考を中断し、チラッと10代目の方を見る
皆の視線は10代目へと移る。
驚いたように肩を揺らしながら、恐る恐るで席を立った。
「お、俺なら・・・人を、助けたいです・・・。」
助けたい、という言葉を聞いた瞬間私の手に力が入った。
何だろう、この私に渦巻く黒い感情は。
彼が良い人過ぎるから、嫉妬しているんだろうか。
綺麗事を言うから、ウンザリしているんだろうか。
それとも、自分と比較して 自分に怒りを覚えているんだろうか。
答えは分からない。
「その人が助けを求めていないなら、尚助けたいです。」
・・・助けを求めていないなら、尚？
私に彼の言っていることは理解出来なかった。
「悲しそうな目で、何もかも諦めたような目で、
でも助けてもらえると信じている人が居るなら――――
―――――俺が絶対助ける。」
その言葉で、私に渦巻いていた黒い感情が消えたような気がした。
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あい愛傘(プロフ) - 黒羽紅篭さん» あい愛傘と申します！泣いて戴けるなんて…！もう私が泣いちゃいそうです（笑）続編は近日公開なので、楽しみにして戴けたら幸いです！コメント有難うございました、心の支えになります（＾＾） (2016年3月20日 14時) (
レス) id: f8fe91be8b (このIDを非表示/違反報告)
黒羽紅篭(プロフ) - 涙が拭ききれないです(´；ω；｀)ｳｯ…続きが気になります！頑張ってください！ (2016年3月20日 11時) (レス) id: ead4519bb4 (このIDを非表示/違反報告)
あい愛傘(プロフ) - 鬼黒さん» ありがとうございます、今はテスト期間で中々更新が出来ませんが頑張ります！コメント有難うございました！！ (2016年2月21日 15時) (レス) id: f8fe91be8b (このIDを非表示/違反報告)
鬼黒 - 面白いです！続きがきになります！ (2016年2月15日 18時) (レス) id: 0faf6114d3 (このIDを非表示/違反報告)
あい愛傘(プロフ) - まっちゃマカロンさん» 本当ですか！？嬉しいです！これからも頑張りたいと思います♪コメント有難うございました！ (2016年2月13日 14時) (レス) id: f8fe91be8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい愛傘 | 作成日時：2015年11月8日 14時
