いつか、思い出になれたら【まふまふ】 (ページ1)

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１　【まふまふ視点】ページ1

雨上がりの秋の日だった。

自分のアルバム関係の仕事がやっとひと段落して今日一日はゆっくりしよう！って思って久しぶりに昼間の散歩に出かけた。

外はきれいに晴れていて、雲一つない空を見上げるのはなんだか新鮮にすら感じて。
たまにはアリかも、普段ひねくれている僕らしくないかもだけれど、そう思った。

どれくらい歩いたかな。空を眺めながらゆっくりと歩くと、都心には珍しい静かな丘のようなところにたどり着いていた。
うん、人もいるかいないかはっきりしないくらいで、すごく心地いい。

「んー！自由だぁ」

なんて、伸びをしたり。

風の音となんだか安心する自然の音……あれ、声？

「……歌声だ」

声量からしてそう遠くない。
どこで、だれが歌っているんだろう？

一周、見まわしてみる。

「いた……」

僕よりももう少しだけ年下であろう女の人が視界に入った。
思わず駆け寄って、右手に触れた。

「ーーあのっ！」