side you 4 ページ42
.
｢うわ〜…追加ってすごい量だね…｣
授業が終わってすぐ、ドキドキしながら海人くんの元へ向かった。
海人くんは分かりやすくショックを受けていて、ちょっぴり面白く感じてしまう。
｢海人くんがぽけ〜っとしてるの珍しくって笑っちゃった(笑)あのとき何考えてたの？｣
｢ん〜…お昼ご飯のこと！お腹すいちゃってお弁当早く食べたいな〜って考えてた(笑)｣
｢でももうお昼ご飯どころじゃないよ〜！！提出期限明後日でしょ!?間に合うわけなくない!?｣
メソメソと泣く仕草をする彼。聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい鳴り続ける胸は無視して、口を開いた。
｢…もしよければ私手伝おうか？｣
｢…………………え？｣
驚いて顔を上げる海人くん。やっぱり迷惑だったかな、なんて考えて勝手に落ち込んでいると海人くんは慌てた様子で首を振る。
｢そ、そんなことない！！え！むしろ手伝ってもらっちゃっていいの!?!?!?｣
よかった、迷惑じゃなかった。安心したのと嬉しいのとでつい口角がゆるゆるになってしまう。
ねぇ海人くん。誰かが喜んでくれたり幸せな気持ちになったりするのがすごく嬉しいっていうのは本当だけどね？
私、誰かの課題を進んで手伝うほど優しくないよ。
これは海人くんだからしてることだよ。
もし君が心を読める力を持ってたら、一瞬でこの思いがバレちゃうね？
海人くんとの約束のせいで、放課後までずーっと海人くんのことを考えていた。
お昼休み、親友に｢あんた、表情筋ゆるゆるすぎない？｣と言われる程度にはニヤけていたらしい。恥ずかしすぎる。
放課後、海人くんとの勉強会。
課題を進めながらたまにチラッと視線を上げた。
君は少しだけ眉間に皺を寄せて、頑張って問題を解いている。
あぁ、君はただでさえめちゃめちゃかっこいいのに、かわいい面もあるんだな…。
目の前に海人くんが居たからか、課題はいつも以上のスピードで終わった。
その報告をすると、彼はニコニコしながら｢おー！お疲れ様〜｣と声をかけてくれる。
その瞬間、ふと兄のことを思い出してしまい、ほんの少しだけ寂しく思った。
素直にそのことを海人くんに伝えると、そっと頭を撫でられる。
｢………お兄ちゃんみたいに、呼び捨てで呼んでほしい｣
｢……………お疲れ様、萌香。｣
呼び捨てされたことで、一気に胸がうるさくなる。
今はまだ呼べないけど、いつか私も｢海人｣って呼ばせてね。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←side you 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もか(プロフ) - もちさん» ありがとうございます(；；)亀更新ですが、これからもよろしくお願いします…！ (7月29日 17時) (
レス) id: cefc2b5555 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - すごく好きです！応援してます🌟 (7月7日 2時) (レス) @page33 id: 1cff44b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もか | 作成日時：2022年12月12日 21時
