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No side
「つーかよぉ……A、お前呑んでないだろォ?」
顔の赤い中原が頬に手を添え、
「そうだよ、折角だからもっと呑もうじゃないか」
笑みを浮かべた太宰は腰に手をまわす。
『な……ッ…い、嫌ですよ!』
抵抗するも虚しく、ウォッカを飲まされた。
段々とAの顔は赤らみ、机に突っ伏す。
纏う雰囲気はふわふわ……………なんて事は無く、
『はぁぁぁ……貴方達はいっつも、そうやって!』
バンッ、机を叩き 二人を睨み付ける。
焦点は合わない。
ビクリと肩を跳ねさせた二人と 少し離れた席で見守る芥川。
混沌の予感でしかない。
『あのですねぇ!偶には
「(佳い子……)」
梅酒を飲み干し、グラスを片手に説教が始まる。
『顔を合わせれば喧嘩喧嘩喧嘩……ごく稀に仲良くしてくれたと思えば碌でもない事を企んで…』
2人の胸倉を掴み、引き寄せる。
急に近づいた顔にほんのり頬を赤く染めた事なんて気にもせず言葉を続けた。
『何なんですか貴方達は!2人とも第1印象は良かったんですよ!なのに…なのに!蓋を開けてみれば強引と気まぐれの塊みたいな人で!』
「お、おい……落ち着けよ…」
『いつもいつも私を困らせて…楽しいですか!?』
「うん、楽しい」
「おい 糞鯖ッ!」
胸倉から手を離し、芥川にもたれ掛かる。
「……………」
本人は勘弁してくれ、とでも言わんばかりに顔を顰めた。
何せ 2人からの視線が怖い。
Aに対して特別な感情は持っていないが、別に嫌っている訳ではない為
無下に扱う事も出来ない。というか、したら(元)上司2人に確実に潰される。
「…ゴホッ…何ですか…」
『芥川君んんん……敬語なんて要らないよぉ……仲良くしようよー…』
「…酔っているのなら帰った方が良いのではないか」
『そんなぁ……やらよぉ』
説教からの絡み酒。
芥川からすれば とんだ災難である。
後方から送られる視線に耐えつつ、何とか引き剥がすと…
「お二人共、お先に失礼致します」
引き渡し、帰っていた。
いや、逃げた。
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月華(プロフ) - 月瀬さん、お久しぶりです!更新の事は気にせず、ゆっくりと休んでください!大好きな月瀬さんのお体と心方が、凄く大事ですから! (2020年1月27日 12時) (レス) id: 158c59c866 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 沙世さん» リクエストありがとうございます!ぜひ書かせていただきます! (2020年1月10日 0時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
沙世(プロフ) - 乱歩さんと特大パフェを食べる話が読みたいです。リクエスト失礼します。 (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4b11a12c3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - るをさん» 了解です! (2020年1月8日 12時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
るを - 月瀬さん» できれば中原さんの反応も見たいです。できればなので書かなくても大丈夫です。他はとくにないです。 (2020年1月8日 12時) (レス) id: 2605d8b47c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まふ | 作成日時:2019年11月1日 17時