【 まふまふ 】ほっとみるく【 歌い手 】

ご。 ページ6

お腹も満たされて、
そらるさんが奢ってくれて
なんて嬉しい日なんだ。

なんて、
一人勝手に微笑んだ。


「なに笑ってんの、きも」
「き、きもってなんですか！」


(まじか…)

見られてたんだ、
なんて後悔しながらそらるさんの背中を軽く叩いた。

まあいいや、
そらるさんだし。


「んで、この後どこ行く？」
「あー…そうですね」


そういえば、
買い物と行っても何処に行くか決めてなかった。

(服も欲しいけど、グッズも欲しいなあ)

ごちうさ、終わっちゃったし。

日々の楽しみが無くなった僕だけど
まあ、また1期から見直してるから大丈夫だ。

(……でも今は、
ココアちゃんに恋してるーとか
そんなこと言えなくなっちゃったもんなあ。)

僕も変わった。


「とりあえずその辺ぶらぶらするか」
「そうですね」


まあ、
グッズなんていつでも買えるし。

なんて、
そらるさんの隣を歩く。

なんかこう、
そらるさんって頼りがいがあるよね。

僕なんて、
好きになってくれる人は居るものの
弱虫で男らしくないし、頼りがいもないから
それに失望して離れる人が多いのだ。

(神様がいるなら、
みんな平等にしてよ。)


「ね、Aってどんな店が好きか知ってる？」
「さすがに分かりませんよ…」


僕とAさんは、
高校時代の同級生。

で、あり
僕のリスナーさんだった。

でも、
高校の時なんて
クラスが一緒だったくせに僕が弱虫だから
話しかけられなかった。

もしあの時、
何かしていれば変わってたのかな。

1年前、
Aさんはそらるさんの彼女になって
僕と再び再開したんだ。

でもね、彼女は
僕じゃなくて僕が好き。


“まふまふ”が好きなんだ。


弱虫のままでいいのかな、なんて
僕は本当に逃げてばかり。

でも、
そらるさんからなんて奪えないし
僕は親友を大切にしたい。

数少ない友達だもん。

失ったら、
それこそ僕はどうなるか分からない。

(もっと詞が酷くなるかな)


「まふ、聞いてる？」
「へっ？ あ…ごめんなさい」
「だから、ここの店入ろう」
「そうですね！」


洒落た洋服屋さん。

(うん、
ここなら僕もそらるさんも好みの服がありそう。)

ドアを開けて二人で入った。

ろく。→←よん。

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