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じゅうさん。 ページ14

肩に衝撃が走って、
驚いて目を開けた。


「お前なにしてんの」
「へっ……ぁ…」


僕と目線を合わせるそうに、
しゃがんで僕をじっと見た。

そらる、さん。

彼は傘を差していて
辺りを見ると、真っ白に染まっていた。

雪、降ってるの?


「Aの飯、ありがとな」


なんて、
少し微笑んだ彼が
なんだかとても怖く見えて。

ばれたら、
ばれたらどうしよう。


「飯食いに行くか」


なんて、
体育座りのままの僕の
冷たくなった手を握った。


「まふまふ、どうしたの」


返事、したくない。

喋ったら
全部言ってしまいそうな気がして。


「聞いてる? 何かあった?」


彼は再びしゃがんで、
僕の目をじっと見た。


「何で泣いたの」


本当、
この人には全部分かってしまう。

でも、
言えるわけない。


「一人で抱え込むなって言ったろ」


僕が返事をしない代わりに、
そらるさんがたくさん喋る。

僕は、
どんな対応をすればいいんだろう。


「飯行こ」


なんて、
僕の手を引っ張った。

一瞬よろけて、
転びそうになるも
そらるさんが腕を掴んでくれて助かった。

手を引っ張られたまま、
それでも優しいそらるさんは
僕がしっかり入るように傘を後ろにしてくれる。

そらるさん、
雪だらけです。


「A、よく寝てた?」
「……はい」
「そっか」


そんな嘘にも、
彼は優しく返事をしてくれる。

僕、
そらるさんに甘えてばかりだ。


「何食おっか」
「…」
「おーい、聞いてる?」


あぁ、だめだって。

ここで泣いたら、
また心配されちゃう。

そう思ったのに、
雪とは正反対な熱い雫が
繋いでくれているそらるさんの手に垂れた。


「っう……っ、ぐ…っす」
「お前ハンカチ持ち歩けよ」
「ごめ、なさ……っ、ごめん、なさ…」


こんなに最低な僕に、
何でそらるさんは優しくしてくれるの。


「大丈夫、誰も怒ってないよ」


頬に落ちてくる雪と、
流れる涙で顔がぐしゃぐしゃになった。

じゅうよん。→←じゅうに。



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色鉛筆@まこたそ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!病みまふ最高でした…(´¶`)夢オチバッドエンドの方も読んでみたかったです(笑)でも恐らくそんなことになったらまふくん壊れちゃいますね← 他の作品も読ませて頂きます!!!これからも応援しております〜!!! (2016年2月26日 15時) (レス) id: 0642a77a16 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - こんばんわ!今回の作しました!!病みまふ!!はい。。実を言うとですね、めろんさんの作品大好きで、確か音響とか、イタンハとか甘すぎ注意とかもみていました!!うふふ大ファンです← 他の作品も楽しみにしていますね! (2016年2月3日 22時) (レス) id: 09c6623f4c (このIDを非表示/違反報告)
歌龍(プロフ) - めろんぱんさん» もうすぐ終わってしまうんですか!?残念です、でも、絶対最後まで読みます!!!どうぞ、勝手に使ってくださいwというか使って頂けるなんて幸せですw (2016年1月30日 22時) (レス) id: b3c9970ea6 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 歌龍さん» コメントありがとうございます!! もうすぐ終わってしまいますが、ラストまで是非読んでください! 隣にそっと座るっていいですね書いてもいいですか。笑 (2016年1月28日 18時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
歌龍(プロフ) - ほあああ…まふさあああん!!!隣にそっと座りたい←更新、めろんぱんさんのペースで頑張ってください!!楽しみにしてますね〜! (2016年1月25日 18時) (レス) id: b3c9970ea6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろんぱん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年1月2日 1時

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