【 まふまふ 】ほっとみるく【 歌い手 】

じゅうに。 ページ13

「ぅ……っ、え…けほっ」


近くにあった公園の、
トイレにすぐに駆け込むなり
色んな感情が渦巻いた。

いつも、
戻すと落ち着くんだ。

この癖、どうにかしたい。

顔は涙でぼろぼろで、
口の中は不味くて、嗚咽が止まらない。

どうしよう。

そらるさんに嫌われたら、
突き放されたら、どうしよう。

何でこんなことしちゃったんだろう。

魔が差した。

キスなんて、
なに馬鹿なことをしてるんだ。

すると、
携帯が音をたてた。

うるさい。

うるさいうるさいうるさい。

ボクに構わないで。

ポケットに入れていた携帯を取り出して、
思い切り、地面に落とした。

こんなの、要らない。

無くなっちゃえばいいのに、
ボクも、キミも、そらるさんも。

こんな心臓要らない。

こんなに痛くなるの、
苦しくなるの、もう嫌だ。

ボクは何も悪いことしてないのに。

ううん、
悪いことしたんだ。

今日、
一番いけないことをした。

トイレを流して、
がくがく震える足を頼りに
公園に出た。

外は、
気持ち悪いくらいの晴天で
全部壊したくなった。

あぁもう、
全部が煩わしい。

自販機に行って、
適当にお茶を買って口に含んだ。

公園のベンチに座って、
一口しか飲んでない
お茶の入ったペットボトルを無惨に投げ捨てた。

ベンチの上で体育座りをして、
目を瞑った。

こうしてるのが、
一番落ち着く。

コートのフードを被って、
もう寝てしまおうと再び目を瞑った。









このまま、
消えちゃえばいいのに。

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