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✱
「に、いさん…?今、なんて、」
「A!どうしたのこの血!」
「え、血?」
ドアを開けて入ってきた母の声に思わず振り向くと、床には点々と血痕が残っていた。私ではない、ということは。
「ごめん兄さん!」
布団を捲ると太腿から出血していたことに気が付いた。倒れて熱があったことに気を取られて負傷しているかもという考えには至らなかったのだ。なんという失態。
「母さん下から救急品持ってきて!」
「っ、わかったわ」
傷跡からして貰通はしていないが穴が開いているといらことは恐らくまだ弾が中に残っでいるのかもしれない。これを取り除かないと化膿して足を切らなくてはならない事態になりかねない。
母は即座に頼んだ物を持ってきてくれて、応急処置をして近くの病院に運んだ。
✱
幹部ということもあり迅速な対応によって治療は終わった。
もう少し待てば目を覚ますだろうという言葉をもらい、個室にて兄さんと二人きりになる。
『なんで、メイドなんか、やっとんの…A…』
意識が朦朧としていたからなのか、それとも本当に覚えているのか、本人に聞かなきゃわからない。
でも、私のことを覚えていでくれるのなら、覚えでいてほしいと思ってしまう。
大丈夫だと、思ったのになぁ。
みんなが幸せであればと願うほどに覚えていってくれると分かれば私も一緒に、なんて都合のいい話だ。
「…こ、こは。｣
「!兄さん、分かる?」
「俺、森で撃たれて…それから…」
「ここは病院だよ。もう弾も残ってない。大丈夫だよ。」
「…あんたは、誰や?」
目の前が真っ暗になるとは、こういうことなのかと息が詰まった。もしかしては、もうなかったのだ。
母さんは、覚えてくれていたのに。
でも思い返せば確かに仕事はどうしたのっていう言葉には違和感を覚えていた。
いつもなら『今日はグルッペン様を探さなくていいの?』や『トントン様は一緒じゃないのね』なんて笑いながら言うのだ。それがいの一番に仕事なんて言う言葉で一括りはおかしかったのだ。
もう、期待なんてしちゃ、駄目だ。
「…申し遅れました。私、我々国のメイドを務めておりますAと申します。感極まって失礼な態度をとってしまい、申し訳ありません。」
私の目に、光はもう無かった。
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レラ - 面白かった!! (2020年5月2日 14時) (
レス) id: c77952c361 (このIDを非表示/違反報告)
あずき・FB - 初めまして、めっっっちゃくちゃ好きです！！！(唐突な告白イベ) メイドになるっていう設定も凄いそそられます…！[ps.因みに続編見れなくて何回か意識がぶっ飛びました((( あぁ…非ログ勢はつれぇよぉ…(心の叫び)] (2019年12月13日 1時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて何よりです(；A；)続編も楽しみにしていただけたら幸いです(>_<｡)またよろしくお願いします！ (2019年12月4日 20時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても続きが気になる物語です！勝手ながら、いつも更新待っています!(’-’*)♪これからの展開がとても楽しみです！ (2019年12月4日 17時) (レス) id: ccb5120fa0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 優里愛さん» コメントありがとうございます！もうそろそろ終盤です！お付会いの程お願いします！(>_<｡)ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼雨茶 | 作成日時：2019年11月14日 9時
