黒イ獣ハ白ノ光ニ包マレル ページ14
No side
｢……何の心算だ｣
彼が睨むのは 白の光に包まれるAの姿。
今にも泣き出しそうな瞳で芥川を見つめ、俯く。
微かに聞こえた言葉は
─── 御免なさい ──
と云う一言だった。
その言葉に、無性に腹が立つ。
ギリ、と芥川は己の拳を握りしめ 痛みなど忘れて声を発した。
｢……そんな
突然の怒鳴り声に驚いたのか、Aの肩がビクリと跳ねる。
だが そんな事を気にしていられる程、芥川は冷静でなかった。
｢御免、だと？巫山戯るな！貴様は命を掛けて光ノ道に進むと決めたのだろう！
それなのに、阻む者が現れ その者が傷付けば謝罪だと？｣
強く握り締め過ぎたのか、手からは血が零れる。
ぽたぽたと地に落ちる筈であろうソレは Aの異能によって 宙を漂っていた。
芥川はAの胸倉を掴み 真っ直ぐと見据える。
瞳に宿るのは どんな感情なのか。
その答えは本人でも理解し得ないモノだろう。
｢笑止千万！己の願いを叶えるのならば、敵に慈悲等 下らぬ感情をかけるな！｣
『ッ……でも…！』
｢でも、等と甘えた言葉を発するな！貴様は…己が信じた道を進むのだ、ならば それ以外の障害物を壊し 唯 只管に進め！後ろを振り返るなど、下らぬことをする前に！｣
芥川が言い終えると、Aは俯いていた顔を上げた。
涙が伝った痕が残っている。
だが、その菫色の瞳には 強い意志が宿っていた。
『…分かった』
ぐっ、とAは自分の手に力を篭める。
より一層強く、白い光に芥川は包まれ
意識が朦朧とし始める。
『有難う、龍君』
気を失う直前、芥川は薄く微笑んだ。
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月瀬(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます〜！ (2019年10月9日 17時) (
レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - 一気読みしてしまいました！とてもおもしろいです(^ー^)大変だとは思いますが更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています♪ (2019年10月9日 17時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月瀬 | 作成日時：2019年9月10日 12時
