8話 ページ9
棘「は、るい、ち 【春一】」
春一は棘の声を初めて聞いて感動していた。
とても綺麗で鈴が転がるような可愛らしい声だった。
春「君はとても綺麗な声だね。君に呼ばれる名前はなんだかとてもドキドキする。」
棘は嬉しそうにニコニコと笑った。
春「君の声も聞けたことだし、今日は何して遊ぼうか？」
棘に春一はそう尋ねる。
棘は鬼ごっこが大好きだった。今まで狭い部屋にいて走れなかった分、たくさん走らことができる鬼ごっこがお気に入りになったのだ。
棘「お、にごっ、、こ」
まだ拙い言葉でやりたいことを告げる棘に春一はにっこり笑うと
春「ほんと鬼ごっこ好きだよね！よし、やろっか！じゃあ今日は棘から鬼ね！10秒数えたらスタートね！」
棘「(コクリ)」
春一が逃げる、そして棘が10秒数えて追いかける
棘は意外と足が早かった。
タッタッタ
あともう少しで春一に追いつく。
棘「ハァ、ハァ、 まっ、【待って】」
そう言った瞬間春一は体が動かなくなった。
春「っ！？？(体が急に動かなくなった？)」
棘「？？」
棘はいきなり動かなくなった春一を不思議に思いながらも
棘「つ、かまえっ、た」
春「あーぁ、捕まっちゃった汗 よし、じゃあ、今度は僕が鬼ね！行くよー！いーーち」
春「(さっきのは気のせいかな？)」
春一が数を数えると棘は一目散に逃げ出した。
10数え終え春一は棘を追いかける
棘がいくら足が早くても長いこと小屋にいて体力がないのと、春一の方が身長も何もかも大きく、棘はすぐに追いつかれそうになった。
このままじゃ追いつかれる。そう思った。
そして棘はある言葉を言ってしまった。
棘「【○○○○】」
ベシャリ
何かがつぶれる音がした。
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作者名：ウジン | 作成日時：2021年2月27日 15時
