16話 ページ17
[ころしてください。ごめんなさい]
そう書かれた紙を見て猿飛もカカシも目を見開く。
こんな、まだ10にも満たない子が泣きながら書いたこの字に一体どんな感情が込められているのだろう?
猿飛もカカシも胸が痛んだ。
自分でも知らずのうちに人を呪ってしまっていた。
自分の言ったことが人を呪うなんて誰が考えただろう。意図せず大切な兄のような存在を、自分を本当の母より大切に育ててくれた存在を呪ってしまった棘。
その胸の痛みは誰にもわからないだろう。
カカシは全部自業自得だと思っていた。
確かに子供だが、この子は賢い。ある程度の年齢に呪言の事を誰かが棘に教えていたらこの子は大切な友人も、母代わりも誰も呪わずに済んだかもしれない。
今回殺された狗巻の一族に同情する余地もない。
ベットに頭を擦り付けて土下座のような態勢で自分を殺してくれと頼むまだ小さな小さな子にカカシは胸が張り裂けそうなほど痛んだ。
それは猿飛も同じだった。
猿飛「棘よ。お前のやったことは仕方がない事で済ますには少し大きすぎる問題じゃ。
しかし、わしはお前を救いたい。棘よ私と一緒にまた新しい人生を生きないか?」
猿飛は棘のあげさせゆっくりと頭を撫でながらそう棘に問いかける。
しかし棘はふるふると首を振る。
[わたしはのろいです。わたしはとげです。わたしがいたら、みんなきずつく。
わたしはたくさんのひとをころしました。
もう、だれひとりころしたくない]
紙にはそう書かれていた。
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作者名:ウジン | 作成日時:2021年2月27日 15時