▽同級生先輩って言えばいいのかな? ページ4
うるさいしげをいなしつつ、通学路を歩く。
徒歩で行けるんだ。というか、徒歩で行けるからこの高校にしたんだけどね。寝てたいもん。
駅が近くなると、同じ制服が多くなる。
「あれー流星?この時間にめっずらしっ!遅刻しないん?」
「いや…俺もたまには起きるで。朝練も行こうとはしてるやん」
「いつもちょっと遅れてくるやん!」
「いや…まぁ…でも寝坊やないんよ。スマホどこやったかなーとか色々してたらそうなるってだけで」
「あほやなぁ!」
しげの友達だろうか。このまま一緒に行くっていう選択肢もあるけど、邪魔しちゃ悪いし先行こうかな。しげの彼女とか誤解されても困るし。
そろーっとその場を離れようとしたが、それより前にしげが私を紹介していた。
「あ、こいつがあのAやで!若干流星に似てる俺のお隣さんや!」
…“あの”ってなに?
流星さんがこちらに顔を向ける。
うわーぉ爆イケ。
しげも身長は高いほうなのに、楽々越している。のんちゃんと同じくらいかも。
勿論しげとか神ちゃんとかのんちゃんとか、それこそはまちゃんだってかっこいいけど、また種類の違ったかっこよさである。
でもなー。素敵な低音ボイスで話されていることは色々残念臭がするなー。
私の周り、顔面偏差値高いけど基本黙ってたほうが得なんじゃないだろうか。
なんて益体のないこと考えてたけど、流星さんはなんかびっくりしている。
「えっと…白枝Aですー。流星さん、同級生ですよね」
「お、…おぅ。せやで。ってか、流星って呼んで」
どうもどうも、とぺこぺこしてたら、しげが爆弾を投下してきた。
「そういや、流星もソフレバイトやっとるよなー。おんなじとこちゃう?」
「え、えぇ!?」
「ぉん。よう覚えてたなしげ」
「流星は、いつから?」
「高校入ってすぐやで」
「うわー先輩だ」
流星はおもむろに近づいてきて、
「うぇ!?」
抱きしめてきた。
「ちょ、流星なにやっとるん!?男前やからって手ぇ出すのはやすぎやで?」
しげがうるさいけど、私も同意見。
「そふれ仲間や〜…ねむ…」
「ね、ねるなぁー!」
だいぶ天然さんなようです。
人通りが少なくてよかったよかった。
「ん?人通りが少ない?」
「あ、急がんと遅刻するわ」
この二人を連れ立って学校かー。目立つなー。
まぁ、悪口とか言われてても寝てるから聞こえないから。いっか。
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作者名:ひめりんご | 作成日時:2020年4月30日 0時