1週間の幕開け ページ18
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「Aさん、今日の会議の資料ここに置いておきますね」
「ありがとうございます」
晋助さんとの休日デートを明けて、また1週間が始まる。
今週からは先週詰めて進めた企画がいよいよもって先方と合同でのスタートとなる。
先週に比べれば、まだ忙しくはないのだが、先方とは今回の企画で初めて手を組む会社、企画が終わるまでは気も抜けないだろう。
社員が作ってくれた資料を手に先に会議室に居るであろう晋助さんの元へと向かう。
会議まで、あと1時間を切っていた。
「結構ギリギリになっちまったな」
「直前で修正点を見つけまして…みんなにも慌てて手伝って貰いました」
「いや、見つけてくれて助かった」
先に会議室に辿り着いていた晋助さんが資料の最終チェックをしながら「あとで他の奴らにも礼を言っとかねェと」と言った。
資料を1部ずつ机上に置き、プロジェクターやパワーポイントの準備を進める。
「でも、先方はどうしてうちを指名してくれたんですかね」
「まぁ、流行ってやつだろうよ。ありがてェ事に最近うちの業績はうなぎ登りだし、話題性もあるからな」
「確かに、ありがたいですね」
デザインとは一括りに言っても、うちはWebデザインや広告などを取り扱う会社だ。
そうしたデザインを提供したりする会社は割と様々な職種と手を組む事が多く、今回はアパレルブランドのカタログデザインを手掛ける事となった。
有名アパレルブランドと新進気鋭のデザイン会社のコラボレーション、確かに話題性は抜群だと思う。
「まだ先方が来るまで時間があるな」
「そうですね、最終チェックも終わりましたし1度オフィスの方に戻りますか?」
「戻るほどの時間でもねーな。先にこっちのチーム入れておくか」
と、晋助さんがスマホに目を落とした時、不意にその目元が気になった。
「晋助さん、目…赤くないですか?」
「あ?あぁ…昨日、遅くまでパソコンいじってたからな」
「ちょっとこっち向いて下さい」
「大したことねーよ」
とは言うものの、晋助さんの目はやはり赤い気がして、私は無理やり晋助さんの両頬を掴んで自分の方へと向かせた。
「お、おい…」
「やっぱり、かなり充血してますよ。先方が来る前に目薬でも……」
「失礼します」
私の言葉を遮ったのは、そんな言葉と会議室の扉の開く音だった。
「え」
思わず、晋助さんの頬を掴んだまま振り返れば、そこには呆気にとられた表情の坂田先輩がいた。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - 美鶴さん» 過去作品に加え合作の方もお読み頂き、ありがとうございます。楽しんで頂けたようで、何よりです。現実では会う機会のない方との出会いがネットならではだと思うので、上手く活用していけたらなぁと思います。坂田嫁会は割と宴会でした笑。 (2018年9月26日 21時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - 嫌味ではないです!笑応援しています!これからも頑張ってください! (2018年9月25日 23時) (レス) id: 960f3fe6a3 (このIDを非表示/違反報告)
美鶴(プロフ) - 凄く前にましろさんの作品を読ませて頂いてほっこりしておりました!合作の方も読ませて頂きました!とっても面白かったです!…オフ会…羨ましいです……坂田嫁会楽しそうですね! (2018年9月25日 23時) (レス) id: 960f3fe6a3 (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬ましろ(プロフ) - 夜兎姫・ルナさん» お久しぶりです、ありがとうございます!!拝啓とは毛色の違う作品ですし、更新頻度もどうなるかは分かりませんが、楽しんで頂ければ幸いです。 (2018年9月17日 13時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
夜兎姫・ルナ(プロフ) - おぉ!1年ぶりの新作!! 拝啓シリーズを呼んでファンになった者です ましろさんが復帰するのを心待ちにしておりました!更新頑張ってください!応援してます! (2018年9月17日 8時) (レス) id: db897215e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作者ホームページ:http://twitter.com/hearty__smile
作成日時:2018年9月16日 21時