微睡んで、微笑んで、君に恋して。【銀魂】

歳上の可愛い人 ページ12

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「ん……」

翌朝、私が目を覚ました時には既に晋助さんは起きていた。
昨晩の坂田先輩との再会、その後この部屋で少し晋助さんと話をして、あれから約数時間経って今は休日にしては早い午前7時過ぎ。

「あァ、起こしたか」
「いえ……何をしているんですか？」

片目を擦りつつソファで携帯を見ていた晋助さんに近付くと、晋助さんはスマートフォンの画面を閉じて「あとで楽しみにしてろ」なんて笑った。
一体、何だというのか。

「それより、朝メシ食うだろ。ルームサービスで良ければ取ってやるが」
「ルームサービス……晋助さんが？」

不満という訳では無いのだが、晋助さんはルームサービスを頼むよりもホテルの側にあるお店に行く方が好きだったりする。
なんだか珍しいな、なんて先程のスマホの件と併せて思いつつ尋ねれば、晋助さんは「あとで分かる」とやはり教えてくれないようだ。

「9時にはここを出るからその前に軽く何か入れとけ。食い過ぎるんじゃねェぞ」
「分かりました」

と、晋助さんからルームサービスのメニューを受け取るのだが、うん、やはり高そうだ。
正直、こういった時に晋助さんに払って貰ってばかりで、あまり値段を見たりする事も無かったのだが、そもそも値段が記載されていないというのが怖いのだ。

何せこの部屋は最上階に近いスイートルーム。
恐らく部屋の値段にサービス料も当然のように上乗せされているはず。

「なに難しい顔してやがる。どれ頼んでも値段は変わらねェぞ」
「うっ……サラッと言いますね」
「手前ェの女には最高のものを与えるのが俺の流儀だからなァ」
「……晋助さんは食べないんですか？」

手前の女、というワードに照れ臭さを感じてそれを隠すように問えば、晋助さんは要らないとのこと。
なんだか、私だけ食べるのも申し訳ない気がするのだが。

「まぁ、食いたくねェならそれでも構わねェよ。どうせホテルの外に出りゃあ何でも食えるからなァ」
「食べたく無いって訳じゃないんですけど……折角だし一緒に食べたいって言うか…」
「………。」

あ、目逸らした。
晋助さんは私と違って顔に出ない代わりに態度に露骨に出る人だ。
今のは、嬉しかったみたいで「じゃあ、フレンチトーストにするか。ここの看板らしい」と言って電話を掛けに行ってしまった。

彼は私より歳上だけれど、たまにこういう可愛い部分があったりする。
それが微笑ましくて私は暫く小さく笑っていた。

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