Nineth. ページ9
中也の射殺すような目に明らかな畏怖を抱いた警備員は、それでも固くなだった。
痺れを切らした中也は、ある紙を突きつける。
その紙を見た瞬間、警備員の顔が変わった。
焦り出したのだ。
「此処に書いてある事、身に覚えがあるよなァ？若しこれが公になったらどうなるかも。
俺はただ小娘が学内に居るかどうか知りたいだけだ。
もう言いたいことは分かるだろ？」
ドスの効いた声と溢れる殺気に、いよいよ警備員は耐えられず門を開けた。
それと同時に男2人は走り出す。
此処は普通じゃない。故に＿＿＿＿時間さえも命取りかもしれない。
最悪の事態を想定しながらも、どうか無事であってくれと願わずにはいられなかった。
「A嬢！いたら返事しろ！！」
「A！！」
暗く静まり返った校舎内は、人の気配が全く感じられない。
そして充満する死の匂いに、2人は冷や汗を流した。
教室を片端から探し尽くしてまだ見つからないことに、中也の焦りは最高潮に達した。
「クソッ……なんでいねェんだ！」
中也は昨晩の事を思い出す。
＿＿＿＿「貴方、最近寝てないでしょう」
＿＿＿＿「うるせェ。大人ってのは忙しいんだ。お子様は寝てろ」
＿＿＿＿「…それ私に向かって話し掛けてるつもり？貴方の目先にあるのはトルソーよ頭逝かれてるの？
馬鹿ね。有能な大人は忙しい時ほど効率よく休みを取るものよ。
…身体、壊さないでよね」
そう言って部屋を出て行ったAの持ってきた珈琲の温もりを思い出すなんて、最悪のフラグが立っちまうじゃねェか。
さっさと見つけて文句の一つや二つ言ってやる。
いや、
偶には優しくしてやってもいいと、中也は鼻で笑った。
＿＿＿＿「A嬢！！！！」
立原がそう言って入ったのは備品の溢れる倉庫。
その奥で、小さな身体が横たわっていた。
湿った肌と拘束された手脚を見た瞬間、中也は今迄湧き上がったことのない＿＿＿＿激しい怒りを憶えた。
立原がAを抱き起こす。
幸い目立った外傷は無いが、濡れた身体で肌寒いこの部屋に放置されていたせいで高熱が出ている。
早く治療しないと更に悪化するだろう。
「＿＿＿＿あ？なんだ、これ」
「中也さん？早くしないと！」
立原がAを背負った拍子に落ちたのか、小さな紙があった。
中也が拾い上げて見ると、其処には赤いインクで荒く文字が綴られていた。
＿＿＿＿『Good night.“Scarlett”』＿＿＿＿
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一華 顕音(プロフ) - GALAXYさん» コメントありがとうございます！番外編が完成しましたので、良ければ呼んでください！ (2016年8月10日 21時) (
レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるぱい猫系女子 - 此奴等が可愛すぎて大声上げて発狂しそうです (2016年8月6日 20時) (レス) id: 26e00e8d74 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス - お久しぶりです。立原がいいぐあいに出てきますね！夢小説であんまり出てこないので新鮮です。あと、中也がだんだん惹かれていく感じがまたたまりません！改めて中也好きだなと思いました。文ストのなかで一番いい話ですよ！これからも更新頑張ってください！待ってます (2016年8月1日 15時) (レス) id: 0f9149ddd8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - あぁぁぁぁぁぁぉぁあ！（歓喜）どっちも応援したい！ (2016年8月1日 10時) (レス) id: 53c8339ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - ああああ（（（立原君に頑張ってほしいけど…やっぱへたれちゃんな中也君に頑張ってほしいです！！！！ (2016年8月1日 9時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一華 顕音 | 作成日時：2016年7月10日 23時
