【番外】近衛の姫 ページ39
__それは、
__婚約者を紹介された次の日のこと。
「これ、Aちゃんのプロフィールだから」
「…いや、個人情報ですよね?いいんですか?」
「読んだら燃やしてくれたまえ」
「……」
紙1枚に収められた彼女の全て。
若干気が引けるが、好奇心には勝てなかった。
____……
近衛 A
生年月日:20××年 1月3日
齢:17
身長:158センチ
体重:43キロ
血液型:AB型
家族構成:父親 近衛明仁
母親 ミラ・スカーレット
好きな物:林檎、価値のあるもの
嫌いな物:自惚れ、価値のないもの
・元幹部 近衛明仁(元最年少幹部記録保持者)の実娘
・母親は近衛が個人的に提携していた海外組織『Eschatologie』の総司令官、ミラ・スカーレット
・母親は既に他界
・バイリンガル
・短刀の使い手
____……
「いや、短刀の使い手って何だ」
「父親の近衛君は短刀で頸動脈をイカすのが得意でね?父親に仕込まれたんだろう。母親は君に負けず劣らずな体術使いだったけどね」
「そんな、17の小娘に……?!」
「年齢なんて関係ないんだよ。己を守る術なら全て教えるまで……彼は損が大嫌いだから」
頭では理解しても、どうしたって納得は出来なかった。
写真に映る少女のあどけなさは、自分達とは正反対の、限りない白だったからだ。
どうしても、この少女が血に汚れる姿なんて想像出来なかった。
目を通した資料に、ライターで火をつける。
その様子を幼女は楽しげに見ていた。
「幼い頃はそれはもう、エリスちゃんのように可愛かったのだよ」
「……はあ」
「今やすっかり美しくなっちゃって……お転婆なところは相変わらずだけども。
ああっエリスちゃんもあんな風になるのだろうと思うと時が止まって欲しいくらいだよ……!」
「ならリンタローが死ねばいい」
「エリスちゃんんん」
____泣き出した
「ところで、首領」
____無視に限る。
「君、スルーが上手くなったね……私は悲しいよ」
「何故、契約条件が婚約なのです?あのような少女を差し出すことに、何か得があるのですか?」
「話を聞いておくれよ…」
シカシクと泣く素振りを一瞬見せた後、鋭い視線に空気が凍った。
「彼女にはね、少し厄介な“モノ”があるんだよ」
「と、いいますと?」
意味ありげに口を歪めた首領は、幼女に向き直って、それ以上会話は続かなかった。
【番外】I don't want to lose you.→←続編のお知らせ。
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一華 顕音(プロフ) - GALAXYさん» コメントありがとうございます!番外編が完成しましたので、良ければ呼んでください! (2016年8月10日 21時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるぱい猫系女子 - 此奴等が可愛すぎて大声上げて発狂しそうです (2016年8月6日 20時) (レス) id: 26e00e8d74 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス - お久しぶりです。立原がいいぐあいに出てきますね!夢小説であんまり出てこないので新鮮です。あと、中也がだんだん惹かれていく感じがまたたまりません!改めて中也好きだなと思いました。文ストのなかで一番いい話ですよ!これからも更新頑張ってください!待ってます (2016年8月1日 15時) (レス) id: 0f9149ddd8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - あぁぁぁぁぁぁぉぁあ!(歓喜)どっちも応援したい! (2016年8月1日 10時) (レス) id: 53c8339ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - ああああ(((立原君に頑張ってほしいけど…やっぱへたれちゃんな中也君に頑張ってほしいです!!!! (2016年8月1日 9時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一華 顕音 | 作成日時:2016年7月10日 23時