Ninteenth. ページ19
「彼女が言ってたナオミさん。隣にいるのはお兄さんの潤一郎さんだよ」
「ナオミさんに、潤一郎さん……会えて光栄だわ!」
「私もですわ!Aちゃんとお呼びしても?」
「!是非!私、同世代の女性のお友達って憧れてたの…!敦さん、ありがとう!!」
「いいんだよ!やっぱり女の子同士の方がもっと色んな話ができるんじゃないかなって」
横浜の某所にある『武装探偵社』。
そこから聞こえるのは、少女達の楽しげな声。
Aには同じ年頃の少女の友達がいない、と聞いた敦が招いた昼下がり。
中也は、男友達の為に粧し込んでいるのだと思っていたが、実際には恐らく人生で初となる女友達の為にと朝から気合を入れていたのだ。
手を取り合い仲睦まじく話す様子はとても微笑ましく、探偵社員達の癒しとなっていた。
そんな中で、口を開けたまま只管に眼鏡を吹き続ける異様な男が1人。
「ナオミさん、あの方はどうしてあんなにも必死に眼鏡を拭いているの?極度の潔癖症かしら?」
「違いますわ!Aちゃんは有名人ですもの、緊張してらっしゃるのよ!」
「面白い殿方ね……眼鏡嗜好の方かと思ったわ。お名前はなんと申しますの?」
「国木田独歩。探偵社一、真面目な方ですわ!」
少女達の優雅な会話の影で、探偵社東西ヘタレ組は見た事の無い国木田の姿に笑いを堪えるのが必死だった。
それに気づいた国木田は2人に怒鳴る、それを見て少女が笑う、それに気づき再び眼鏡を拭き続ける……その繰り返しだった。
それに少し飽きた頃、ナオミがある提案をした。
____「Aちゃん、デートしましょう!」
…*…
薄黄色の柔らかい生地。
紅く輝く花托。
純白のクリーム。
雑誌の中で見たその食べ物に、Aは心を奪われてしまっていた。
Aとの仲を深めるために、とナオミが連れ出した横浜の街はAにとってはまるで知らない世界だった。
高級ブランドでもなく、三ツ星レストランでもなく、Aくらいの歳の少女が集う場所。
それは、今までAが知ることの出来なかった横浜の姿だった。
恐る恐る“クレープ”を口に運ぶA。
ナオミが感想を聞けば、嬉しそうに頷いた。
深緋の瞳が輝く。
それを見て、ナオミも嬉しくなって笑った。
そんな少女たちの様子をみていた敦も、谷崎兄と共に笑いあった。
____とても、楽しいわ!
Aは
その時は近衛の娘ではなく、唯の少女であった。
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一華 顕音(プロフ) - GALAXYさん» コメントありがとうございます!番外編が完成しましたので、良ければ呼んでください! (2016年8月10日 21時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるぱい猫系女子 - 此奴等が可愛すぎて大声上げて発狂しそうです (2016年8月6日 20時) (レス) id: 26e00e8d74 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス - お久しぶりです。立原がいいぐあいに出てきますね!夢小説であんまり出てこないので新鮮です。あと、中也がだんだん惹かれていく感じがまたたまりません!改めて中也好きだなと思いました。文ストのなかで一番いい話ですよ!これからも更新頑張ってください!待ってます (2016年8月1日 15時) (レス) id: 0f9149ddd8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - あぁぁぁぁぁぁぉぁあ!(歓喜)どっちも応援したい! (2016年8月1日 10時) (レス) id: 53c8339ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - ああああ(((立原君に頑張ってほしいけど…やっぱへたれちゃんな中也君に頑張ってほしいです!!!! (2016年8月1日 9時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一華 顕音 | 作成日時:2016年7月10日 23時