Fourteenth. ページ14
果てしない青い快晴。
心地よく吹くビル風。
鼻歌を歌いながら軽やかに進む亜麻色の乙女。
美しい彼女の事だ、さぞ男共の目を引いているのだろう＿＿＿＿＿＿＿＿俺には見えないけど。
色とりどりの箱。
両手にぶらさがるブランドの紙袋。
幾重にも重ねられた箱は、ゆらりくらりと俺の視界を支配している。
な ん で こ う な っ た？
「これくらいで音を上げているの？武闘派組織と言えど大したことないわね。黒い猫の運送業者の方が強そうだわ」
「……すいません」
この目の前で辛辣な言葉を吐くのは、現時点の自分の主である(ヤケクソ)。
ここ最近彼女の周りは騒がしく、学校に行く以外に外出出来ていなかった彼女を連れ出して数時間。
数時間前の俺に言いたい。この女と2度と買い物に行こうなどと思うなと。
ズラリと並ぶ服を「ここからここまで貰うわ」なんて見たことない。箱買いならぬ列買いだ。
＿＿＿＿「ねえ聞いてるの？貴方の耳はアクセサリーか何かなのかしら？よく出来た付け耳ね」
「は、いや、…すいません」
相当苛つくいい性格をしている彼女だが、これでも上司の婚約者(本人非公認)。
雑に扱おうものなら俺の首はすぐに飛ぶ。
物理的にも社会的にも。
「ほら、危ないじゃないか。何時かみたいに人にぶつかるよ」
「すいません！…はあっ」
「なんだい、不満そうだねェ？妾と買い物が嫌だって言うのかい？」
「い、いえいえ！滅相もないです！」
＿＿＿＿うわぁ、俺と同じ苦労している奴がいるな。
すれ違いざまの会話。
表に生きる人間も裏に生きる人間も同じなのだなあと同情心が湧き上がる。
同じ様に積み上げられた箱を抱え、歩く男の姿を見て＿＿＿＿危うく荷物を落としかけた。
「お前！人虎！！」
「え、あ！！黒蜥蜴の！！…なんですかその荷物」
「人のこと言えねェだろお前」
俺の上司の顔に泥を塗る結果となった作戦で対象となっていた男が、今目の前にいる。
くそっ、荷物さえ無ければ…！
何も出来ずに、ただ敵意を向けるだけだった所に、また彼の声が聞こえた。
そして絶句した。
＿＿＿＿「ほんっとに貴方の耳はお飾りね！さっさとこの無粋な男をどうにかしていただけない？」
文句を叫ぶ女の頭に、銃が突きつけられていたのだから。
「この女を助けたかったら軍警に1億用意させろ！！」
本気で数時間前に戻りたい。
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一華 顕音(プロフ) - GALAXYさん» コメントありがとうございます！番外編が完成しましたので、良ければ呼んでください！ (2016年8月10日 21時) (
レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷるぱい猫系女子 - 此奴等が可愛すぎて大声上げて発狂しそうです (2016年8月6日 20時) (レス) id: 26e00e8d74 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス - お久しぶりです。立原がいいぐあいに出てきますね！夢小説であんまり出てこないので新鮮です。あと、中也がだんだん惹かれていく感じがまたたまりません！改めて中也好きだなと思いました。文ストのなかで一番いい話ですよ！これからも更新頑張ってください！待ってます (2016年8月1日 15時) (レス) id: 0f9149ddd8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - あぁぁぁぁぁぁぉぁあ！（歓喜）どっちも応援したい！ (2016年8月1日 10時) (レス) id: 53c8339ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこリュナ(プロフ) - ああああ（（（立原君に頑張ってほしいけど…やっぱへたれちゃんな中也君に頑張ってほしいです！！！！ (2016年8月1日 9時) (レス) id: eef97769f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一華 顕音 | 作成日時：2016年7月10日 23時
