検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:66,729 hit

twenty - three ページ25

彩side(中2)

『え・・・?』

目の前にいるのは、紛れもなく、画面越しに憧れ、見つめ続けてきた、

まふまふさんと、あほの坂田さん。

「あ、えぇっと、、、えっと、うっ、さかたんパス!」

「えぇ!?」

「言い出しっぺは君だし!」

「それはそうやけど!」

私がぽかんとしている間にも、傍から見れば茶番とも言えるやり取りが始まる。

目の前で茶番が始まってしまえば、流石に私も思考が追いついてくる。

『あ、あの、、、歌い手のまふまふさんと坂田さん、ですよね、、、私に何か御用でしょうか?』

私が戸惑いながらも、声を絞り出せば、おふたりともハッとする。

「あ、はい!まふまふです!」

「あほの坂田や!」

えっと、、、はい、、、。

会話が進まない・・・。

私が返事に困っていると、まふまふさんがそれに気づいてくれた。

「あ、急にごめんなさい!えっと、僕達、隣の部屋で歌ってたんだけど、
君の声がが聞こえて、すごく上手いし綺麗だなって、、、」

『へっ・・・?』

歌い手界のトップの人にそんなことを言われて、またも思考が停止してしまう。

「そうそう!それでな、歌い手さんかもしれんし、ちょっと会おてみたくなって。」

えっとつまり、私の感情の叫びみたいな、音程外れまくりの歌を聞かれてたってこと!?

恥ずかしさのあまり、私は俯いた。

「あ、、、やっぱ迷惑やった?」

坂田さんの言葉に、急いで顔を上げた。

『い、いえっ!迷惑なんか、、、光栄です!』

ただ、、、泣いてたのも聞かれてたのかなって。

それに今、私はきっと酷い顔をしてる。

憧れの人に会えたのに、こんな出会い方は嫌だったなって、我がままだけど。

「良かった・・・・・・・・・あ、、、、」

まふまふさんが、安堵したかと思うと、その表情を強張らせた。

その瞳には、焦りと不安の色が浮かぶ。

私は何に気づいたのか悟った。

いや、悟るまでもない。

やってしまった、と顔に書いてある。

あぁきっと、私の目と鼻が赤く、頬の涙の跡に気づいてしまったんだ。

でも、気づいたのはまふまふさんだけらしい。

坂田さんは、まふまふさんの異変に気づいて首を傾げてるだけ。


ならば。


『どうかしましたか?』

「・・・・っ!」



____________いつもどおり。仮面(えがお)を見せるだけだ。

twenty - four→←twenty - two



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
88人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

MadCat(プロフ) - ききょうさん» ありがとうございます!実はつい最近、再開したばかりでwこれからもがんばります!! (2020年9月10日 20時) (レス) id: 635a11a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ききょう(プロフ) - MadCatさん、初めまして。突然ごめんなさい、ききょうと申します!語彙が繊細でとっても素敵なお話ですね…!とても楽しませて頂いております!笑 長々とすみませんでした…これからも更新頑張ってください!応援してます!!長文失礼しました。 (2020年9月10日 17時) (レス) id: 41db9f3d9e (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 更新頑張ってくださいね! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 130d6e5757 (このIDを非表示/違反報告)
MadCat(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!!!更新ペース、定まりませんが、頑張ります!!! (2019年10月6日 18時) (レス) id: 36fa550942 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - このお話とっても好きです!頑張ってください!!!応援してます! (2019年10月6日 17時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MadCat | 作成日時:2019年9月17日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。