十二頁 ページ13
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貴「何であんな事、」
言っちゃったかなぁ…。
思い出してため息を吐く。
あれから皆で帰って来て、黒子君のお家と近いことが分かった。
今は、夕食を作っている途中。
私は一人暮らし。
学費や生活費は、親戚から毎月口座に振り込まれてくる。
未成年の親戚を放っておくのは、世間体がアレなんだろう。
霞「どうした?お前らしくない」
私のため息に、霞が寄ってくる。
「不安か?」と気遣わしげな声に首を振った。
貴「…今度の休み、お誘いを受けた」
断ったけど、と言うと、霞が苦笑する。
霞「良いのか?」
貴「生活に慣れたい、って言ったら謝られた」
…――でも、問題はその後。
貴「…また誘ってって言っちゃった」
自分の言葉にまた気分が下がり、溜め息を吐く。
霞「…良いじゃないか、偶には」
霞の言葉は予想外で、思わず足元に目を向ける。
霞「前の学校じゃ、そうは行かなかっただろう?今くらい、楽しんでおけ」
毛繕いをしながら何となく言われた言葉は、何か、こう…
貴「…狡いよ、霞」
乱暴に火を止める。
霞「A?…うわっ!」
怪訝な顔の霞を抱き上げ、ぎゅっと抱き締める。
冷たいのに暖かいその感触は、何とも心地好いものだった。
貴「…よし」
霞を降ろし、再び火をつける。
霞「A、」
貴「…?」
霞の声に振り返る。
霞「…否、何でもない」
霞は首を振り、台所を出て行った。
就寝前。
携帯を出し、電話帳を開く。
霞は、早くも妖仲間を見つけたようで、呑みに行っている。
呼び出し音が数回鳴った後、はい、と愛しい声が響いた。
貴「貴志さん、」
夏『Aか、久し振り』
優しい声に、自然と笑みが漏れる。
夏『そっちにはもう慣れた?』
貴「うん、大分」
夏『そっか。なら良かった』
くす、と聞こえる笑い声に、釣られて笑う。
貴「私、部活入ったよ」
夏『え!?何か意外。何の部活?』
貴「バスケ部のマネージャー。物好きな人が沢山居てね、スカウトされちゃった」
夏『そうなんだ。無理はするなよ?』
貴「それはこっちの台詞だから」
夏『はは、ごめんごめん』
他愛ない会話が、幸せをくれる。
夏『早く戻っておいで。
…好きだよ、A』
貴「…私も」
電話を切った。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ひゃっはー。(プロフ) - 突然の訪問失礼いたします。憶えていらっしゃいますでしょうか、以前夢主イラストを依頼されたものです。絵の方が完成いたしましたので、ご確認いただけると嬉しいですっ! (2016年6月4日 11時) (レス) id: 4686e450f5 (このIDを非表示/違反報告)
炎道朱梨(プロフ) - ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。頑張ります! (2016年5月29日 22時) (携帯から) (レス) id: 0d2f3e46ea (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - やばいです。チョー面白いです。もう、、何て言うか言葉に表せないくらい面白いです。早く続きぐみたいっす! (2016年5月29日 19時) (レス) id: 47e894458e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炎道朱梨 | 作成日時:2016年3月11日 21時