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「先生、運んで来ました」



私はやっと全部資料を職員室へ運んだ



「ありがとう」



土川先生は微笑んだ



「いえ。いつもの事ですから」



私も頑張って作り笑顔を見せた



「彩華さんのそういう所、凄いと思うよ。僕は好きだな」



好き



そんな言葉が頭の中を回る



好き?



土川先生が私を?



顔に熱が集まるのが分かった



「あっ。そういう意味じゃないから。生徒としてだよ」



先生は焦ったように言った



「ははっ。それなら良かったです」



何を言っているんだ



私の意気地なし・・・!



何が良かったの?



私はそういう意味のほうが嬉しいのに・・・



伝わらない



その時だった



電話の音が鳴った



「ああ。妻からだ。少しごめんね」



と言って、先生は受話器を取った



「貴方、今日の夕飯何がいいかしら?」


「何でもいいよ。わざわざ電話しなくてもいいだろう。俺じゃなくて子供に聞いてくれ」


「だって、貴方の好きな料理を作ってあげたいから」


「はあ・・・俺はシチューがいいかな。あ、子供達にも聞いて」


「ええ。分かったわ。お仕事頑張ってくださいね」


「ああ。じゃあ」



先生はそう言って、電話を切った

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作者名:♪美桜♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nknk  
作成日時:2018年11月30日 20時

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