銀狼【銀魂】21

第九百五十三訓 強い人がやられると背筋が凍る【銀狼篇7】 ページ22

時雪「新八くんっ！！銀時さんいないかい？大変なんだ、Aがっ…！！」

新八「Aちゃん？Aちゃんがどうかしたんですか？」


一体何があったんだ。こんな切羽詰まった時雪さん、初めて見た…

僕は時雪さんから詳しく事情を聞くため、「とにかく上がってください」と、時雪さんを中に入れた。

それに頷いて、二人揃って客間兼リビングに向かう。
銀さんはジャンプから目線だけをこちらへと向けていた。神楽ちゃんも、来訪者に興味を示し、起き上がる。


新八「時雪さん、Aちゃんに何かあったんですか？」

時雪「さっき、真選組から連絡が入ったんです…Aが辻斬りに襲われたって」

新八「えっ！？」

神楽「Aちゃんが！？」


辻斬りって…嘘だろ、最近はそんなニュース、一切聞かなかったのに！

時雪さんの口から告げられた情報に、神楽ちゃんは思わず身を乗り出す。
銀さんは声こそ上げなかったものの、眉を寄せて訝しげな表情で時雪さんを見ていた。

でも…Aちゃんなら大丈夫じゃ？


銀時「たったそれだけで何で連絡が入るんだよ。アイツ“銀狼”だぞ？ヘタしたらその辺の浪士より強いんだぞ？」


銀さんの言う通りだ。Aちゃんは強い。そこら辺の攘夷志士なんて相手にならないくらい。

師匠としては誇れる弟子だけど、そんな強いAちゃんなら、大丈夫なんじゃないか…？


時雪「そうなんですけど…話によると、襲われて退治したそうなんですが」


「そら見ろ」と言うように、銀さんが頬杖をつく。

だが次の瞬間、時雪さんからとんでもない発言が飛び出た。


時雪「その直後に急に体が痙攣して…血を、吐いたって…」

銀時「！！」


今度こそ、銀さんはカッと目を見開いていた。

すぐに銀さんの体は動いていて、時雪さんの両肩を乱暴に掴む。


銀時「Aは今どこだ！！」

時雪「び、病院です！大江戸病院…」

神楽「銀ちゃん！！」


時雪さんからAちゃんの居場所を聞き出すと、すぐに放して走り出す。
神楽ちゃんが呼び止めるのも届かず、走って家を出て行った。

残された僕らは、ただ呆然と銀さんを見送っていた。

Aちゃんが…血を？

ダメだ…そんな事考えたって、意味がない。とにかく、行かなきゃ！


新八「とにかく、僕達も行こう！！」

神楽「わかったネ！定春！行くアルヨ！」

定春「わんっ！！」


時雪さんを引っ張って、僕達も外に出る。

みんなで定春の背中に乗り、銀さんを追いかけて走り出した。

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