銀狼【銀魂】21

第九百五十二訓 玄関先で何回もインターホンを鳴らされるとウザい【銀狼篇6】 ページ21

「大丈夫？」

A「うん、まぁ…」


手錠をかけ終わったモブ兄さんがこちらを振り返る。
笑って返したけど、正直ちょっとヤバいかも…

おかしいな…この程度の痛み、腐る程経験してきたはずだろ。どうってことないはずなのに。


何とか痛みを堪え、トシ兄ィに連絡を入れる。

詳細を端折ってパトカーを要請し、通話を切った。


その際、再び右手にズキンと痛みが走る。

痛いのは、先程刀を握った掌だ。


A「ぐっ…！！」

「Aちゃん！！」


手が痺れ、痙攣を起こす。グラリと視界が霞み、ついに膝をついて倒れた。


マズい…明らかにおかしい！

何だ？何しやがった、アイツ…！


焦ったモブ兄さんが犯人そっちのけであたしに駆け寄る。


「大丈夫か！？しっかり！」

A「はぁ、はぁ…ぐ、う…」


顔が青ざめ、血の気が引いていく。

隣のモブ兄さんは、明らかにパニックに陥ってる。何してんだ…このままじゃ…


「Aちゃんしっかりしろ…なぁ、嘘だろ？」

A「はぁ、はぁ、はぁ」


震える手を叱咤させて、懐に左手を入れ、クナイを取り出す。

それを投げると、この隙に逃げようとしていた雑魚の足に突き刺さった。


「ぐぁあっ！！」

A「逃が、すか…っ、あんたも…今すべき事を…げほっ、見失うな…！！」

「Aちゃん！！」

A「ゲホゲホッ、ゴホッ！！」


咳が思ってたより酷くて、手を口にやる。

喉の奥から血の味がして、込み上げてくるそれを地面に吐き出した。


ビチャビチャ、と地面に血が水たまりを作る。

歪んだ視界に最後に見えたのは、到着したパトカーだった。


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新八side


皆さんどうもこんにちは。初の視点となります、志村新八です。


今日も相も変わらず、万事屋には仕事が舞い込まない。

銀さんは自分の椅子にだらしなく座って、ジャンプを読みながらぐーたらしていた。
僕は家の掃除洗濯、神楽ちゃんはソファでゴロゴロしている。

今日も何もないのか、と肩を落としたその時、玄関のインターホンが鳴った。


銀時「新八、出てこい」

新八「ハイハイわかりましたよ」


平気で人をパシる銀さん。いつものことなのだが、やはり溜息も吐きたくなる。

よほど急いでいるのか、もう一度インターホンが鳴った。


新八「はーい、今行きます！」


小走りで廊下を進み、扉を開ける。

そこには、肩で息をした時雪さんがいた。


新八「時雪さん？」

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