銀狼【銀魂】21

第九百四十九訓 嬉しいと頬の緩みが止まらない【銀狼篇3】 ページ18

A「ち、ちょっと待って近藤さん…あ、あたし何かやらかした？もしかしてついに幕府からあたしの斬首の言い渡しでも来た！？」


嘘だろ！？今まで散々いい子ぶって「あたし無害だよ」アピールしてきたのに！！


近藤「いや、そんな大げさな事じゃないから落ち着いて」

土方「大体幕府がお前を殺したりなんざするかよ。お前は将軍様の友人なんだから、万が一そんな事があっても、将軍様が許さねーだろうよ」


あっ、なんだよかった。じゃあこれからも今まで通り猫被って生きときゃ大丈夫か。


「まぁとにかく、こっちに来てくれ」と近藤さんが手招きする。

あたしは立ち上がって隊士達の間を通り抜け、近藤さんの目の前に正座した。

通り抜ける際パンツ覗こうとした野郎共には、勿論キックをお見舞いしておいた。
いや、見せパンだからまだマシだけどさ、残念がるのは無いだろ！？追加で蹴るぞ！？


近藤「Aちゃん、実は君に渡したいものがあるんだ」

A「え？」


改まって渡したいもの＝婚約指輪ですか？よし死ね近藤さん。
貴様がゴリラストーカーだけでなくロリコンであることに、あたしは幻滅の更に向こうへ行きそうだよ。プルスマイナスしそうだよ。


そう言って近藤さんが差し出したのは、小さな袋。

それを受け取り、中を探ると紐が出てきた。
紅色で、少し長めのそれに、あたしは思わずキョトンとする。

えっと…これは…


近藤「Aちゃん、今まで真選組でよく働いてくれた。それは、俺達からのプレゼントだよ」

A「え……」

近藤「ほら、Aちゃん前にあの髪紐が無くなって困ってただろ？総悟から貰った簪でまとめてた時もあったけど…やっぱりAちゃんには、髪紐(それ)が似合うと思ってな。トシや総悟、みんなで選んだんだぞ」


みんなが？あたしのために？あのトシ兄ィや総兄ィまでもが？

えっ？ウソ？やだ、なんかムズムズする。じわじわ胸の奥が温かくなる。


うわ、うわ…やだ、なんか、すっごく嬉しい。


あたしは思い切り近藤さんに抱きついた。


A「近藤さん、ありがとう！！」

近藤「ハハ、そうか。よかったよかった」


ぎゅうう、と抱きしめるあたしの頭を優しく撫でてくれる。近藤さんの胸に顔を押し付けてから、他のみんなを振り返った。


A「みんなもありがとう！！大好き！！」

「俺達も大好きだよ嬢ちゃん！！」

「さぁ、今度は俺達の胸にも飛び込んでおいで！！」


あっ、それは嫌です。

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