銀狼【銀魂】21

第九百四十三訓 ライバルの存在は自分を強くしてくれる ページ12

A「先に約束を破ったのはお前らだ。だから、あたしも容赦しねェ。てめーら全員、ぶっ飛ばす」

阿呆「おのれェェこのガキが！！殺れェェェェ！！」


あーあーもう、この程度でキレちゃって。器の小さい雑魚決定ですね！アハハ！バーカ！

アホ豚の怒りの絶叫と共に、敵が一気に駆け寄ってくる。その瞬間、壁が二ヶ所爆発した。


そこから続々と入ってくるのはーー鬼兵隊だ。


また子「晋助様ァァァ！！攘夷浪士はやっぱこうっスよね！！また子は一生ついていきます」

武市「正気ですか、晋助殿も皆さんも。春雨相手にこの手勢で勝ち目があると！？そんな事より今できる事は、大江戸青少年健全…」

万斉「フン。正気など保っていては、世界を相手に喧嘩など売れんでござる」

A「その通り…さっ！」


万斉さんもなかなかいい事言うじゃない。

いいねえ、こっちもゾクゾクしてきた！有象無象じゃ暴れ足りない！もっともっと強い奴と戦いたい！

あたしは視界にチラリと映ったたった一人の男をめがけて走っていた。その男もあたしの姿を認めて、口角を上げる。


A「神威ィィィイイイイイイイイイ！！！」


同時に加速して近づき合う。拳を振り上げ、ぶつかり合った。


ガッシィィッ！


ミシミシ、と小さな音が拳の間に響く。お互い力は全く緩めない。
先に動いたのは神威だった。力を抜いてあたしの体勢を崩し、腕を掴んでくる。そのまま振り回されて、投げ飛ばされた。

周りに立っていた敵をも巻き込んで、床に叩きつけられる。
すぐに起き上がった瞬間、神威の手があたしの顔を掴み、床にめり込むほど押し付けられた。


A「ぐっ…！」


馬乗りしてきた神威の拳が振り上げられる。
それを左手で受け止め、右手で顔を掴む神威の手首を握りしめる。渾身の力でそれを押しのけ、上体を起こし頭突きをした。

あたしはすぐさま神威の頬に拳を入れ、殴り飛ばした。さっきのあたし同様敵を巻き込んで吹っ飛ばしすぐに体を起こす。やり返しとばかりに一瞬で近寄り、顔面を蹴りつけた。

しかしまた神威もあたしの足首を掴み、持ち上げて投げる。あたしは空中で体勢を整え、着地。

はあー…これは…


神威「ふふっ…」

A「クククッ…あははははっ！」


全力を出し合って、本気で戦い合える。そんな相手は、今まで一人もいなかった。

なんて最高なんだろう！これ以上の喜びがあってたまるかよ！！

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