第八百四十六訓 悪事はひっそりこっそりと ページ10
男は連中から少し離れて佇んでいるため、ここから狙い撃ちしても仲間は気づかなかった。
男はこちらを見向きもせずに、クナイを指で挟んで止める。
それからあたしと視線を交換すると、彼は目を見開いた。
あ、確実に動揺したな。だよねー、こんな所にいるとか思わないよねー。
新八「銀さん、あの人…Aちゃんのクナイを止めるなんて、ただ者じゃないですよ。何者なんですか」
銀時「アレか?アイツは瀧だよ」
新八「…………
……えっ?」
しばらくの沈黙の後、ようやく師匠が声を絞り出す。
あれ?気付いてなかったの?
新八「瀧って…えっ?もしかして、お登勢さんとこで働いてるお瀧さん…?」
銀時「正解」
新八「えええんぐうっ」
A「師匠静かに!!バレる!!」
驚きのあまり叫ぼうとした師匠の口を咄嗟に塞ぐ。
男改め変装したタッキーは、創界党の連中からさらにもう少し離れ、クナイを全員の背中に投げ込んだ。
ドスドスドスドスッ
A「よし、今だ!」
クナイが命中したのを確認して飛び出す。
一番近くにいた浪士の首を絞め上げ、音もなく気絶させた。
続く銀達も、創界党のリーダーであるオカマにバレないように、こっそり敵をたたんでいく。
敵に一人立ち向かっていた総兄ィがこちらに気づき、戦闘態勢を解いた。
オカマがここぞとばかりに、後ろにいるはずの仲間達に指令を出す。
蒼達「ついに諦めたようね、今よチャンスだわ!!総員斬りかかりなさい!!」
シーン
アレ?と思ったオカマが振り返る。
そこには、見覚えのない仲間達、つまりあたし達が立っていた。
銀時「スイマセン、メンドくさいから嫌です」
神山「隊長ォォォ無事ですかァ!!」
蒼達「誰?」
思わぬ光景に、呆然とする蒼達。
その時、彼の傍らに立っていた仲間がまた倒れた。
それを踏みつけて、青筋を立てたトシ兄ィと、腕を組んだ近藤さんが現れる。
土方「次はどいつに斬りかかればいいんだ。局中法度に違反したあそこのバカか」
近藤「始末書じゃ済まねーぞ、総悟」
蒼達「しっ…真選組!!何でこんな所に!!」
オカマの顔は青ざめる。
そして、最後に一人残っていた
蒼達「何をしてるの!!早くコイツらを排除…」
お瀧「何や、アンタまだウチを味方思てくれはるんですか。申し訳あらへんけど…」
タッキーは、ビリビリと変装用の薄い布を破り、本当の顔を明らかにした。
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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時