第八百四十二訓 恋は盲目でありハリケーン ページ6
A「嫌な予感がする」
土方「？」
A「あたし、探してみるよ。それにちょっと調べたいこともあるし」
土方「そうか…」
何か言いたげなトシ兄ィを振り返って、ニッと笑いかけた。
A「一緒に行く？」
＊＊＊＊＊＊＊＊
A「ーーってこと」
ミサト「何が『ってこと』？」
待ち合わせ場所のレストランで、連絡をつけていたミサトさんに一連の流れを説明する。
ミサトさんは不機嫌そうにあたしの隣に座るトシ兄ィを睨みつけた。
ミサト「何なんだこの男は。Aの彼氏か？」
A「あたしが彼氏と認めた男は世界でトッキーだけだ。他は知らん」
ミサト「じゃあ婚約者？」
A「私が人生で惚れた男は過去に二人だけだ。他は知らん」
土方「お前ら何の話してんだ。さっさと本題に入れバカども」
トシ兄ィのツッコミが入り、話は一旦中断される。
ミサトさんは腕組みを解いて、懐から一枚の写真をあたしに手渡した。
あたしがそれを受け取ろうとすると、ガシッと掴んでくる。
ミサト「A、俺は依頼料なんていらない。この後俺と一夜を共にしてくれればそれでいい」
土方「ガキを何に誘ってんだてめーは！！オイA、こいつホントにお前の知り合いなんだよな！？さっきから黙って聞いてりゃただのロリコンじゃねーか！！」
A「金は払うから帰れ」
一刀両断して、クナイをミサトさんに投げつけた。
クナイは見事ミサトさんの額に命中し、血を流して机に倒れ込んだ。
実を言うと最近あたしは、タッキーの進言により体中に暗器を仕込むようになった。
いつ何時変な輩に襲われても問題ないように、クナイや手裏剣、メリケンサックにスタンガンまで常備している。
やだ物騒！女の子が持つ物じゃないね！
土方「…大丈夫なのかコレ」
A「大丈夫大丈夫、あの人あぁ見えて元お庭番衆だから」
ミサトさんに見向きもせず、あたしは写真を見つめる。
そこには一人のオカマが写っていた。
ミサト「そいつは創界党首魁天堂紅達が弟、天堂蒼達。兄の方は六角事件で命を落としたが、弟の方はあの中で生き残っていたらしい。そいつが近頃創界党を復活させたという噂は耳にしたぞ」
A「へぇ〜、弟がオカマってものすごい家族だね。あたしなら真っ先に殲滅するわ」
土方「お前鬼か」
A「鬼じゃない狼だよ」
土方「知るかそんなモン！！」
注文したアイスメロンソーダを飲み、写真を机の上に置いた。
第八百四十三訓 後先考えるよりパッと行動した方が上手くいく→←第八百四十一訓 忍者はスパイ
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作者名：ミサ | 作成日時：2018年6月2日 23時
