第八百七十八訓 睨み合いは精神的に殺される可能性もあるから気をつけろ【かぶき町四天王篇8】 ページ42
Noside
かぶき町町内会会議場は、古い寺で行われている。
そこには四大勢力の中の三人、お登勢、西郷、華陀が向かい合って座っていた。
お登勢「…なんだってんだい、こんな所呼び出して。ゴミの分別なら破った覚えはないよ」
西郷「破ってるじゃないの、なんで私達美女二人に腐臭漂うゴミババアが混ざってるワケ。空気読みなさいよ、アンタが呼び出されたのは焼却炉よ」
お登勢「お前に言われたくないんだよ、分別不可能な工場廃棄物が」
開口一番、憎まれ口を叩き合うお登勢と西郷。
華陀もその様子を見て、口を開く。
華陀「フッ…相変わらずそうで何よりじゃ。忙しい所呼び出してすまんのう。だがちと待て。役者が一人足らぬ」
そう。寺には、四つの座布団が敷かれている。
その内一つだけ、空席なのだ。
お登勢もそれを一瞥する。
お登勢「…次郎長かい。ムダだよ、ここ二、三年公の場に姿見せたことないんだから」
華陀「…そうか。どうせなら四天王全員で話がしたかったんじゃが。まァ事が事じゃ。奴がおらぬ方が話がしやすいかもしれぬ。
そち達に集まってもらったのは他でもない。かぶき町の現状を話し合うためじゃ」
そう切り出して、華陀は話し始めた。
華陀「今この街が例年にないほど緊張状態であることはそち達も存じていよう。
いつの間にやらできた我等四勢力。くだらぬ争いを続け、今やその溝はかぶき町を瓦解せんまでに大きくなってしまった。
このまま捨て置けば間違いなく戦争が起こる。そのようなくだらん事態はここにいる誰もが望んでいないであろう」
西郷「よく言うわね。一番派手にやってたのは華陀、アンタと次郎長のトコじゃないのよ」
西郷の言う通り、華陀がカジノを建てる以前、かぶき町の賭場の一切は次郎長一家が取り仕切っていた。
しかし華陀が現れ、カジノを建て大儲けしだし、次郎長一家とは随分モメていたという。
華陀「それはそちも同じじゃろう、西郷。噂に聞いておるぞ。そちが攘夷浪士、落ち武者共を囲い、次郎長一家に拮抗しうる勢力を築きつつあると」
西郷「はぁ！？」
第八百七十九訓 一度怪しんだら大抵それが正しい【かぶき町四天王篇9】→←第八百七十七訓 一度犯罪行為をしてもバレなければついつい続けてやってしまうがいつか必ず最悪な形でバレることになる【かぶき町四天王篇7】
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作者名：ミサ | 作成日時：2018年6月2日 23時
