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第八百七十五訓 怒ってる相手は煽れ【かぶき町四天王篇5】 ページ39

すぐさま舎弟らしき男が駆け寄った。


「アニキぃぃぃぃぃ!!どうしたんですか」

「折れたァァァ!!今ぶつかられたショックで完全に折れたァァァ!!」

「コルァ〜!!ネーちゃんどう落とし前つけてくれるつもりだァ!!」


うあぁ…

これってアレだよね?モノホンだよね?

確かピラ姉ェって元極道じゃなかったっけ?人斬りピラコとか呼ばれてた…

あっ、隣にいる銀と師匠がすんごい冷や汗ダラダラだ。めっちゃ面白い。

恐らく二人の本音としては、『せっかく平子を女の子らしくさせようと今まで頑張ってきたのに、あんなモノホンの刺激を受けたらまた極道の血が目覚めるかも』ということだろう。

しかもコイツら、もしかしたら次郎長一家かもしれなかった。
ピラ姉ェは次郎長一家を血祭りに上げようと考えていると推測されるため、ここで衝突すれば即刻戦争は免れない。

ま、事は穏便に運ぶに越したことはないよね。


A「ちょっとおじさん達」

銀時「何してんだァお前ェェェェ!!」

A「うっさい黙ってて!」


完全に出る幕を無くした銀が叫ぶ。

あたしはピラ姉ェを庇い、おっさん二人の前に立った。


A「あたしさっきからずっと見てたんだけどさ、アレ明らかにワザとだよね?だって大の大人がか弱い女の子とちょっとぶつかっただけで骨折れるとか、どんだけ虚弱体質?アンタらそれでも男?それとも未発達の赤ちゃんでちゅか〜?」

「はァァ!?んだとコラァこのクソガキ!!」


あっはっは、いいねいいねェ。

ほらほら、あたしがムカつくだろう?

手を出してみろよ、こちらは正当な理由で抵抗(ケンカ)できるんだから。


A「とにかく、アンタあれワザとでしょ?この人は何も悪くない。落とし前つけんのはあんたらの方じゃないの?」

「テメェっ…ナメてんじゃねーぞ!!」


ついにあたしの胸倉を、ハゲ男が右手(・・)で掴み上げる。

勝った。


A「あっれれ〜?右腕(こっち)は骨折してるんじゃなかったっけな〜?」

「ギッ…!!」

「ア…アニキ!そのへんに!」


舎弟の男があたしを見て、ハゲ男にヒソヒソと耳打ちした。


「マズイです、この銀髪娘は確かオジキが目ェつけてるって」

「!!な…何!?」


ハゲ男は一度あたしを見てから、パッと手を放した。


チッ…あとちょっとで正当防衛効くところだったのに…

第八百七十六訓 考えるより先に行動するとヤバい時もある【かぶき町四天王篇6】→←第八百七十四訓 力があると思考も極端になってくる【かぶき町四天王篇4】



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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時

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