検索窓
今日:19 hit、昨日:8 hit、合計:16,836 hit

第八百七十訓 小さな愛の日 ページ34

トッキーは掌の乗ったキャンディとあたしを見ていたが、ふと微笑んでキャンディを手に取る。


時雪「これ、本当に俺にくれるんだよね?」

A「?う、うん…」

時雪「すっごく嬉しい。ありがとう、A」


にこっと笑ってから、突如抱きついてきた。


…ファ!?


A「ト、トトト、トッキー!?」


何!?え!?いきなり何!?

アレ?トッキーってそんな飴好きだったっけ!?
いやそんなことないよね!

驚いて見上げるあたしに、トッキーは笑いかける。


時雪「Aはさ、バレンタインのお返しがあるって知ってるよね?」

A「え?うん、ホワイトデーでしょ?」

時雪「そう。でも、そのホワイトデーのお返しに意味があるのって知ってた?」

A「へ?」


ホワイトデーのお返し?

そんなのに意味なんてあるの?


キョトンとするあたしに、トッキーは続ける。


時雪「マシュマロは、"貴女が嫌い"。クッキーは、"貴女は友達"…っていう風にね」

A「へぇ〜、そうなんだ。でも、何でそれをいきなり?」


まだバレンタインなのに、何故いきなりホワイトデーの話をするのか。

それをダイレクトにトッキーに尋ねる。


時雪「だって、これホワイトデーのお返しでしょ?」

A「えっ!?」


キャンディを指さして、トッキーは笑う。


A「えっと…その」


どっちかっていうと、バレンタインのチョコの代わりなんだけどな…


時雪「それなら嬉しいなぁ、って思っただけ」

A「ど、どういうこと?」


トッキーはあたしを抱きしめたまま、耳元に口を寄せる。

そして、小さな声で囁いた。


時雪「キャンディはね…ーー"私も貴女が好きです"って意味なんだよ」


A「……」


…は…え……?

それ、って……


A「〜〜〜〜っ!?」


ボフッ!と耳まで一気に赤くなって、「ぇ、あ、…ぅぅ」と挙動不審になる。

恥ずかしくなって、顔を見ようとしてくるトッキーの胸に飛び込んだ。


時雪「ね、どうなの?」

A「…うるさい」


うがぁぁぁぁ恥ずかしいよォォォ…

ふふっと楽しげに笑うトッキーを睨んだ。


時雪「ごめんごめん」

A「ったく…」


あたしは貰ったカップケーキに口をつけた。


A「!美味しい!!」

時雪「そう?よかった」


トッキーがあたしの頭を撫でる。

あたしはそれに、満面の笑みを浮かべて返した。

第八百七十一訓 かぶき町最強の男【かぶき町四天王篇1】→←第八百六十九訓 愛し愛しきのバレンタイン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , ほぼ原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。