第八百六十二訓 新年一発目の挨拶は大切 ページ26
A「新年、あけましておめでとうございます!今年もよろしく…
…じゃ、ねェェェェェェ!!」
ニコニコ笑顔から一転、ダン!と強くテーブルを叩きつける。
その時に、高く積まれた年賀状が崩れ落ちた。
時雪「ああっ!ちょっとA、何してんの!」
A「うるせーよ!何でこのタイミングで年賀状ネタ!?もう季節は夏なんだよ!蒸し暑さが増して寝る時暑苦しくなってんだよ!!」
時雪「それは今触れちゃ一番いけないところだから!!」
トッキーからツッコミを受けようが御構い無しに喚き続ける。
A「大体この世界はサザエさん方式で年が明けねえんだよ!!何があけましておめでとうだよ何も明けちゃいねえよ!!それなのに何こんなにたくさん年賀状送ってきてんの!?てめーらのせいでどんだけの木が切られてると思ってんだ、森林伐採に協力しやがってナメてんじゃねーぞコノヤロー!!」
八雲「うるさいです」
あたしの脳天に、ジョウが笑顔で拳を落とす。
頭を押さえて痛がったがヤツは気にも留めない。
流石白い悪魔だな…
トッキーは崩壊した年賀状をまとめて、テーブルの上に並べる。
コタツにあたしとトッキー、ジョウ、タッキー、たっちーがぞくぞく入ってきた。
お瀧「へえ、色んなとこから年賀状来とんなァ」
A「ダメだ、書いても書いても終わりが見えない。あたし死にそう」
八雲「大丈夫ですよ、人はぶっ続けで文字書いた程度では死にません」
橘「これ見ろ。小春や鈴、時雪の実家からも来ているぞ」
時雪「あ、ホントですね!」
和気藹々(幻想)とした雰囲気の中、トッキーが一枚の年賀状に気づく。
時雪「あれ?これ、快援隊から来てますよ」
A「えっ?辰兄ィが?」
橘「…」
たっちーが無言で、露骨に嫌な表情を浮かべる。
実はたっちーは辰兄ィとは腐れ縁とも言えるほど長い付き合い。
でも辰兄ィの安定のバカ行動に毎回振り回されて、本人はすごくうんざりしてるんだよね。ドンマイ。
その内容を見てみると。
『今年幕末150年ですね 坂本辰馬』
A「知るかァァァァ!!」
あたしが一蹴した瞬間、たっちーがビリビリと年賀状を破りまくる。
ものすごく細かく千切っているところを見るあたり、辰兄ィに対してかなりのストレスが溜まっているんだろう。
たっちーの闇が見え隠れした一幕だった。
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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時