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第八百五十六訓 クリスマスは本来リア充のイベントではない ページ20

かぶき町。

普段ここは夜になるとネオンが輝き、美しい姿を見せる。

しかしこの日に限っては何故かやけに賑やかだった。しかも昼から。

ふむ、珍しいな。どうしたんだろ?


行き交う人々は皆男女カップルで、何やら楽しげに笑って歩いている。

あたしはその幸せそうな雰囲気が疑問に思えて仕方なかった。


その時、ふと誰かとぶつかってしまう。


A「あっ、ごめんなさ……げっ」

桂「ん?おお、A!!」


謝ろうと顔を上げた瞬間、あたしは顔をしかめる。

顔を上げたそこには、年中無休でウザい兄貴分の一人、ヅラ兄ィとその相棒エリーが。


A「すいません失礼しました」

桂「ちょっと待て、どこへ行く」

A「用事思い出したんで帰ります」

エリザベス『逃がさんぞ』


帰らせてくれよ…

え?こっちはずっとスタンバッてました?

知るか!!


心の中で、悲壮な叫びを上げたあたし。

後ろにはエリー、前にはヅラ兄ィが立ちはだかる。

本気で警察に通報してやろうかと思った。


ヅラ兄ィを見てみると何だかとても嬉しそうだし、エリーは相変わらずまん丸お目目でこちらを見つめてくる。

嫌な予感と脱力が相まって、あたしは深い溜息を吐いた。


A「…何。二秒だけ相手してやるから早く用事済ませて」

桂「いや、二秒って少」

A「ハイ二秒以上経った。じゃあね」

桂「ちょっと待ってェェェェェェ!!」


さっさと帰ろうとするあたしの肩を掴んで、ヅラ兄ィとエリーはあたしを引き止めようとする。


しかし“銀狼”であるあたしにこの程度の制止は効果がない。

二人をズルズル引きずってでも、歩みを止めることはない。


桂「待て、待つんだA!少しはお父さんの話を聞いてはくれないか!?」

A「誰がお父さんだって?いい加減にしてよ、あたしはてめーらみてーのに関わってるほど暇じゃないの。そもそもお前なんかの話、誰が聞いて喜ぶってんだ。どーせ新しいコスプレ衣装ゲットしたとかそんなんでしょ」

桂「なっ!?何故わかったんだ!?」

A「結局合ってんのかよ!!今の超テキトーだったんだけど!!」


もう!!何なのこの変態バカ兄貴は!!

あたしの勘云々じゃなくて、ただ単にヅラ兄ィの行動パターンが単純すぎるだけなんだよね!


今日何度目かの溜息を吐くと、ヅラ兄ィはあたしの腕を掴んだ。

第八百五十七訓 サンタコスは可愛い彼女に着てほしい→←第八百五十五訓 一番怖いのはバーさんの説教



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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時

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