第八百五十一訓 猫の爪で引っ掻かれると痛い ページ15
お登勢「…?アンタ…見ない顔だね。新しく来た野良猫かい?」
A「ニャア(いや、あたしだよ)」
お登勢「おや、随分と綺麗な猫じゃないかい。もしかして飼い主の元から逃げ出してきたのかい?アンタもバカだねぇ」
バーさんがしゃがみ込んで、あたしの体を持ち上げる。
両腕に抱きかかえてから、バーさんは店の中に入っていった。
中では朝からたまさんとキャシーが掃除している。
タッキーは…あぁ、お休みだったね。
バーさんが中に戻ったのを見て、二人も近寄った。
たま「お登勢様、それは…小猫ですか?」
お登勢「さっきの物音の正体はコイツみたいでねぇ。あんまり綺麗なモンだから、きっと誰かのペットだと思うんだけど…」
キャサリン「ナンカ随分ト太々シイ顔シテマスネ。猫ノクセニ可愛ゲアリマセン」
んだとこのブサイクがゴラァ!!
バリィ!!
キャサリン「ギャァァァァ!!」
猫らしく思いっきり引っ掻っかいてやる。
まだ怒りが収まらないあたしは、バーさんの腕から抜け出して、キャシーに飛びついた。
こんのクソアマぁぁ!!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!!ぶちのめすぞ表出ろコラ!!
キャサリン「痛イ痛イ!!何ジャァヤルノカコノニャン公!!」
お登勢「キャサリン、アンタが可愛くないなんて言うから怒っちまったじゃないのさ。この猫…メスだね。女は可愛くないなんて言われりゃ怒るもんさ。猫も人間もおんなじさね」
「ほら、おいで」とバーさんの促しに応じたあたしは、キャシーを睨みながらバーさんの腕に帰る。
腕の中で丸くなったあたしを、バーさんは優しく撫でてくれた。
このままバーさんの猫になるのも悪くないかもなぁ…
あ、もう猫いるじゃん。
なんてどうでもいいことをぼんやり考えていると、営業中ではないのに、扉が開いた。
銀時「ババアー、昼飯くれ」
入ってきたのは、だらしないオーラを常に全開にしている我が兄の銀。
そして、従業員である師匠と神楽と…って、来たァァァァ!!
定春ゥゥゥ!!お前を待っていたぞォォォ!!
ようやく会いたい人物(?)に会えた!
しかし、周囲の人間には全く伝わらない。
神楽「猫!銀ちゃん、猫がいるネ!」
真っ先に目を輝かせて飛び込んできたのは神楽。
興味津々、という目で顔を近づけられ、思わず後ずさりしてしまう。
神楽はバーさんの腕からあたしを持ち上げ、抱っこした。
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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時