第八百四十七訓 照れ隠しはその人のキャラを壊す ページ11
お瀧「ウチもこっち側なんですけど」
A「ワリーなオカマ。もう全員排除しちゃったよ〜」
タッキーの隣に立ったあたしが、ヒラヒラと手を振って笑う。
オカマはついに逃げ出した。
蒼達「ひっ、ひィィ!!なんでっ!!なんでこんな事に!!」
沖田「ホント、なんでこんな事になっちまったんだ」
しかし、オカマの逃げた先には当然のごとく総兄ィがいる。
沖田「チクッたの誰だァァァァァ!!」
あぁ、かわいそうに。
悲壮な絶叫を聞いたあたしは、そっと手を合わせた。
そして、その笑顔のままそろ〜っと逃げようとするタッキーの肩を掴む。
A「どこ行くのタッキー?」
お瀧「いや〜…ちょっとトイレ」
A「あっはっはっ、そんな嘘が通じると思う?」
あたしはあくまで笑顔だ。その裏に、「何でここにいるんだ」とか「何しに来てたんだ」とか色々含めていることを除けば、ただの笑顔だ。
しかし、タッキーはあたしの笑顔で怯える。ひどいなぁまったく。
お瀧「…思いません」
A「だよね?じゃあ正座」
********
A「ーーなるほどね」
タッキーから全てを洗いざらい聞いたあたしは、腕組みをしたまま総兄ィを見やった。
A「その依頼ってのが、総兄ィからだったなんて」
総兄ィは怪我を負っていたため一応手当てを受けているが、トシ兄ィの憤怒の表情を見る限り、死と等価の苦しみが彼を待ち受けていることだろう。
可哀想に。
お瀧「ホンマすまんな、A。実を言うと今回コレが初めてやないんや。
ホラ、前に真選組と鬼兵隊がドンパチやらかした事あったやろ?あん時、伊東の事調べてくれ言うて、総悟くんがウチに依頼してな。
ほいで、Aが狙われとるのわかったから、休暇っちゅー形で志乃を屯所に寄せ付けんように…」
沖田「姐さんんんんんんんん!?」
ドドドドドド!!と総兄ィが突進してきて、タッキーの胸倉を掴み上げる。
おい、キャラが。キャラが壊れてんぞ。
いつになく必死そうな様子にタッキーは笑いを堪える。
沖田「そいつは内密にって話じゃなかったんですかィ?ええ?」
お瀧「いやー、ウチら基本的に棟梁に隠し事は禁止やねん。もうええやろ、そろそろ面と向かってカッコつけや総悟くん」
沖田「わかりやした。あーもうわかりやした。だからもう黙ってくだせェ。それ以上喋るんならその首刎ねますぜ」
A「ちょっと待って何?何の話してんの?」
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作者名:ミサ | 作成日時:2018年6月2日 23時