第四百二十四訓 母を大事にするのもいいけど度は過ぎないで ページ10
それから高天原の従業員全員で、母ちゃんを探し始めた。
あたしはというと、店を飛び出ていった狂死郎さんを追いかけ、その都度銀に連絡を入れていた。
しかし、突如狂死郎さんの足が早まる。電話を耳から離してから、彼の様子が変わった。何か、焦っているような。
A「狂死郎さん…?」
あたしは一定の距離を保ちながら、銀に連絡をした。
A「もしもし、銀?」
銀時『どーした?動いたか?』
A「うん、街の外れの工事現場に向かってる。大分焦ってるみたいだから、きっと母ちゃんも関わってると思う」
銀時『わーった、すぐ行く。早とちりして勝手なマネすんなよ』
A「了ー解」
銀との短いやり取りを切り、あたしは狂死郎さんを追うべく走り出した。
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狂死郎さんを追ったあたしが辿り着いたのは、予想通り街外れの工事現場。
おそらく、ここに勝男さんから呼び出され、母ちゃんを人質に取引を持ちかけられているのだろう。
タッキー直伝の術で気配を消し、物陰からこっそりと様子を伺う。
話を盗み聞きしたところ、やはり勝男さんは母ちゃんを人質にとり、先程のクスリ密売のことを持ちかけていた。
いやはや、自分の勘の良さにはホント拍手しか出来ない。流石あたし。
狂死郎さんは手にしていたアタッシュケースを開いて、小判やら札束を勝男に見せた。
狂死郎「私の私財です。店を大きくするために使ってしまって、あまり残ってはいませんが」
勝男「なんやァァァ!!まだもがく言うんかいな!!わしらそんなはした金欲しいんやないでェ!!お前の店でクスリ捌け言うとんねん!もっとデカイ金動かしたいんじゃ!!」
狂死郎「私はホストという仕事に誇りを持っています。だから貴方達の要求は呑めないし、母に名乗り出るつもりもない。ホストは女性を喜ばせるのが仕事です。だから、この世で最も大切な女性を悲しませるようなマネは、私は絶対にしない」
どうやら、全財産を渡すからクスリ密売の件も断らせてくれと言ったところか。
うん、流石かぶき町No. 1ホスト。大したモンだ。
勝男さんもそれを承諾し、その金で組長を説得出来るかもしれないという。これで、交換条件は整った。
狂死郎さんがアタッシュケースを勝男へ投げ渡した。
勝男が受け取ろうとした…。
邪魔するなら、今だ。
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時